「あ、切原君…」


「返しに来たんだよ悪いか!」


「ううん、ありがとう。そういえば今朝幸村先輩が私に切原君と丸井先輩が喧嘩してるとか言ってきたんだよ。それで理由聞かれた」


「げ…」



朝のホームルームが終わったら切原君がクラスに来た。今朝のことを伝えると切原君も幸村先輩は怖いのか顔がひきつった。わかるよ、その気持ち。



「喧嘩したんだ」


「…俺、悪くねぇし…」


「ふーん」



会話が終わったと思ったのでそのままノートに数学の公式を書いていたら切原君が動かなかったので彼を見上げると酷く傷付いた顔をしていた。
え、なにそれ



「ど、どうした切原君」


「お…お前…」


「私がなんかした?」


「俺のこと、き、きら、…」


「きる?キルだなんて物騒な英語使うなよ…そんなに私が嫌いか切原君」


「……っ名字のバーカ!もう知らねぇよお前なんか!」


「ええぇぇ…」



私を罵倒して走り去った彼は反抗期なんだろうか…。全く最近の子はわからんな…。



「他校の二年がどれだけ大人なのかよくわかった…」


切原君も早くああなってくれないだろうか。