「名字さん」


「ごめんなさい」


「引き止めただけでしょ。逃げないでくれる?」


「無茶言わないで下さい……、おおお!そこにいるのは瀬木君じゃないか一緒に教室行こう!」


「名字なんで幸村先輩に絡まれてんだよw怖ぇーから来んな」



登校途中に幸村先輩に会ってしまい泣きそうになっていたらクラスメートを見付けたので駆け寄って肩組んで巻き込んだ。結構本気で嫌がられた。
やっぱ幸村先輩怖いよな、良かった。



「赤也が丸井と喧嘩したみたいなんだよね。名字さん何か知らない?」


「知りません。瀬木君何か知ってる?」


「はー?切原クラス違ぇし丸井先輩と接点ねぇし…。俺も知りませんけど」


「…そう。ならいいけど」



そう言って幸村先輩は三年の教室の方へと歩いていった。
瀬木君にはチロルチョコをあげて機嫌をとった。



「なんで接点ない私達に聞いたんだろうね」


「名字切原と知り合いじゃねーのかよ」


「知ってはいるけど全然関わらないよ。クラス違うし…丸井先輩は全く関わらないし」


「明らか聞く奴間違えてんなww」


「そうだねww」



この時特に気にしてなかったが原因が私だったとは。