、 「あ、先輩お昼どっか食べ行きましょーよ。あの逆ハーっぷり飽きましたー」 「え、俺エクスタシーの人超見たいんだけど」 「言い方変えます。デートしませんか」 「よしエスコートしてやるよ」 あの逆ハーっぷりは微妙に怖いもの見たさ的なあれで見たいけど食べてる時は絶対見たくないので先輩と抜ける。写真部がいなくても別に気にされないだろうし。 合宿所の出口まで歩いていくと後ろから肩を引かれた。 「逃がさんで」 「………ユウジ先輩、お昼用意してあるんだから食べてきたらどうですか。小春ちゃんも、そちらの彼も。」 「なんや蔵リンがおかしくてアカンと思ってしまうんよ〜」 「謙也さんもっすわ。きしょくてかなわん」 「俺男とデートするつもりねぇよ。つか、テニス部が抜けてきたら目立つんじゃね?」 「許可はとってあんねん。」 エクスタシーさん、あんたのせいで三人程合宿所から抜け出してますよ。そんなんでいいのか部長! 「まぁあの魔女の被害者だし仕方ない。一緒に昼飯食べますか」 「あら〜写真部の部長さんなんやろ?ええ男やないの〜!」 「浮気か!」 先輩達がコントを繰り広げながら合宿所を出ていく。先輩…魔女って…。まぁいっか、関係ないし。 そんなことを考えていたら横にピアスの彼が立っていた。 「…いくつまで大阪居ったん?」 「小学生までだよ。」 そんな何気ない会話をしながら三人についていく。そしたら彼と私の出身小学校が同じだということが判明した。テンションあがってその学校の話をしていたら彼が私を凝視してきた。 「……覚えとらん?」 「え?……私の知り合いに君みたいなイケメンいない気がする」 「…“お前が笑えば俺も笑う”」 ぴた、と足が進むのを忘れた。覚えとらん、なんて嘘でしたがっつりしっかり覚えてます。 あれは私の笑い上戸になった理由です。 |