「え、何してんの」


「呪いでした」


「ユウジ君じゃなかったんだろww」


「エクスタシーでした…何ですかあの人」


「イケメン?」


「イタメンですよ」


「イタイってことかw」


「イタイメン」


「せめて略してやれよww」



部長に笑われながら駄菓子屋に入った。私と部長は駄菓子好きでよく近所のレトロな駄菓子屋に来る。
そこでは近所の小学生もいるので然り気無く仲良しだ。



「あーッ!10円たんないよ!」


「んだよ80円じゃねーじゃんバカ!」


「お前だって80円とかいったじゃん!」


こんな小学生の小競り合いなんかは日常茶飯事である。なんとなく見たら少年の手に持っていた商品が私の買った飴だった。あの切原君にあげた不味い飴。
今頃怒ってるだろうなー…。とりあえず捨てるのは絶対嫌なので自分で頑張って舐めていた。だがこういう場合人に押し付けてもありだろう。



「ヘイ少年達。今飴玉フェアをやっているんだ。ご試食いかがですか」


「あー!ねぇちゃんこの飴買ったのかよ!」


「おうよ。金の貸し借りは利子とれそうな奴としかやらんから君達には貸せんのだよ。だから試食して美味しかったら10円ためて自分で買いたまえ」


「ねぇちゃんイイおんなになれるぜ!」


「普通にありがとうって言いなさい」



少年達に飴を渡してたら部長がニヤニヤしながらこっちを見てきた。手にはブラックサンダー。気に入ったのか。



「名前っていい母親になりそうだよな」


「いい女でいい母親ですか…やべーいい女でいい母親なのに貰い手がいない」


「そこはドンマイ」


「ノってくれないんですかw」


部長に振られて傷心してたら小学生達に慰められた。年下もありだと思った。