ムカついたので仁王先輩を引きずったまま屋上に来て思いっきり振り払ってやった。



「せっかく俺が守ってやったんに」


「全く守られた覚えがありません」


「合宿から帰る荷物ん中に俺らの着替え写真入ってたじゃろ。」


「やっぱり仁王先輩の嫌がらせでしたか、もちろん焼き捨てましたよ」


「あれ、木原の仕業じゃ。お前さんが着替え盗撮したって騒ぐつもりじゃった、と」


「………それで仁王先輩は私の荷物漁ってる木原先輩を撮った、と」



仁王先輩は顔の横にその時の木原先輩の写真を持ってきた。
あーぁ、悪い顔して…荷物漁るって…。



「……、まぁ…めんどくさいことにならなくて助かりました。ありがとうございます。」


「おかげで俺の秘密も守られて一石二鳥じゃ」


「私を餌にしましたね」


「そんなことしとらんよ」


「…どうだか」


「名前ちゃん、また変なのが出てきたんじゃけど」


「勝手に利用されるのは癪に触ります」


「協力、…してくれないんか?」

「利用、しないでもらえます?」



「……」


「……」



私と仁王先輩は掛け合わせちゃいけない組み合わせである。