「あ…」
「か」
「さ」
「お前ら…」

「……“た”と“な”がいませんでしたね」


「桑原続けろよー」


「え…、わ、悪い…」



ファミレスついたらテニス部の桑原先輩と丸井先輩に切原君までいた。
離れて座ろうとしたら丸井先輩に手を掴まれた。


「こっち座ればいいだろぃ」


「私に触ると毒に汚染しますよ先輩」


「エクスタシーさんも毒手とか言ってたな」


「やっぱ今のはなしで」


「まぁ俺ら君らにとって気分が良い話じゃない話するから遠慮しとく。」


「…わかってる。愛美のことだろぃ。付き合うなら奢るぜぃ、ジャッカルが!」


「なんでだよ!」



なぜかは知らないが私と部長を同席させたいらしい。部長がまぁいんじゃね?といったので大人しく座ることにした。



「んで、名前が昨日聞き逃した木原の彼氏の座争奪戦の結末なんだけど」


「おお!」


「せりふそのまま言っていい?」


「ばっちこい!」


「“私にとっては皆大事なの!一人になんて絞れないよ!ずっとこのままがいい”」


「何股になるんですかね」


「何で冷静に返すんだ名字」


「いや…まぁ良かったじゃないですか。木原先輩は皆が大事だそうですよ」


「やっぱ愛美先輩は…俺らのこと真面目になんざ考えてなかったんすよ!」


「赤也!」



切原君の大声で店員さんが迷惑そうにこちらを見た。やっぱ離れて座ればよかった。



「…誰とも付き合わないけどお前ら全員私のこと好きでいなさいよってこだろぃ」


「Sなんですかね」


「俺名字嫌い」


「奇遇だね切原君、私もだよ。」



私の言葉に傷付いた顔をした切原君。おいおい同じこと言っただけだろうが。そんな顔されても困るっつーの。



「俺らだってその言葉聞いてこのままでいらるわけねーし」


「いや、だから俺はまず告白してねーし…」


「今からでも遅くない、頑張れよ桑原」


「……だから別に好きじゃねぇんだよ!」


「「「「え…」」」」



意外。桑原先輩の言葉に全員が驚いたようだ。
にしても、これからどうなるかな…面白くなればいいが、なんか嫌な予感がする。

どうなるんだろうなぁ、これから。