「財前君と引き裂かれるとはこんなにも辛いものだったのか……」


「名前ー幸村機嫌悪ぃから先バスのって大人しくしてようぜ。」


「うぃーす…」


部長に言われてバスに乗りこむ時に青学の人達が通ったので軽く挨拶した。バンダナ君改め海堂君には避けられた。なんてこった。大人しくバスに乗ってたらバスの横に氷帝ご一行がいらっしゃった。


「名字」


「うお…跡部先輩…、皆そろってどうなさいました」


「その制服、お前にくれてやる。」


「サイズあってないし私立海生なんで遠慮します。つーかこれ…忍足様のお楽しみ用じゃないんですか?」


「洗わず返してくれてええんやで」


「ありがたくもらっときます」


「あ、のよ…」


「何ですか宍戸先輩」


「……この前、俺のせいで…よ、あんなことになっちまって」


「え?私この前は財前君さがしてロッククライミングしてた記憶しかないですよ。夢でも見てたんじゃないですか?」


「な!なに言ってんだ!お前愛美に…!」


「それ、言ってもめんどいでしょ。わざわざ厄介にすんのやめましょ。それに宍戸先輩のせいじゃないです。」


「名字!窓から身体を乗り出すとは何事だ!!」


「うっげ!」



バスの方へ走ってきた真田先輩に怒鳴られてすぐに引っ込む。氷帝の人達に笑われた。
くそう…!不覚…!



「またな、」



高笑いが終わった跡部先輩がかっこつけて立ち去る。…またがないことを激しく祈る。