「え、次って仁王先輩と忍足様なんですか」


「そうやで。こっちベンチでそのジャージ脱いで足組みしながらスコアとってて欲しいんやけど」


「机とベンチはありがたくお借りします」


「名前ちゃんせっかく足綺麗なんやから出しとかな損やで。」


「ストレート勝ちしたら脱ぎます」


「ホンマに?」


「そういうわけで負けないで下さいね、仁王先輩」


「名前ちゃんは俺がストレート負けすると思っとるんか」


「しないと思ってるから言ったんです。」


「さ、とっととコート入りや。15分もあれば終わるやろ」


「こいつ本気じゃ」


「生意気こいてごめんなさい、仁王先輩頑張って下さい」



私が足の危機を感じ仁王先輩に頭を下げたら彼は頼られたのがそんなに嬉しかったのか、嬉しそうにコートへと入っていった。
最初忍足様の優勢で1ポイントもとれなかった時は泣きそうになったが、イリュージョンとかいうあれで一瞬仁王先輩が跡部先輩に見えた。そこから試合はもつれにもつれてタイブレークになった。仁王先輩GJ!と心の中で叫んだ。
その試合は結局木原先輩の応援でミスショットをやらかした仁王先輩が負けた。ヘタレないでねまさはるーって叫んだぞ、木原先輩。



「……何で横のコートでスコアとってるはずのあいつが…こんなはずじゃなかったんに…」


「集中力が足りんぞ仁王!」


「……仁王先輩、お疲れさまです。ありがとうございます、あと飴あげます。可哀想に」


「名前ちゃんは一言余計じゃ」


「わかりました、もう心配しませんし余計なこと言いませ………汗つくから寄らないで下さい」



飴を投げ渡してお礼を言ったらミスショットにイラついていたのか、機嫌悪そうに返された。だから余計なこと言わない宣言したら近寄ってきたから横にあったタオルを投げた。
タオルを被ったまま腕を掴んでくる彼は…あれか、心配しろということか。



「心配も余計な一言もやめませんからとっとと休憩言って下さい」


「なんだかんだ優しい名前ちゃんは好きじゃ」


「言うこと聞かないやつは嫌いです」



睨んだら小走りで彼は休憩しにいった。