「スコアを取れるなら協力しやがれ。選手は出来るだけ試合をさせたい。お前も役に立て」


「財前君連れてくれば私が頷くと思うんですか、跡部先輩」


「俺の試合だけでええよ」


「うんわかった」



超笑顔で財前君が言うもんだから速攻で返事をしてしまった。財前君の試合だけならいいか。


「名前ちゃん俺は?」


「私分身出来ないからダメです」


「コンビニのスイーツって美味いよな?」


「…………こっち来て下さい。財前君の試合と被ってない時だけですからね」


「それでええよ」



跡部先輩と財前君から離れて忍足様に返事をすると彼は何が面白いのかニヤニヤして了承した。


「浮気するん上手いなぁ名前ちゃん」


「なんて人聞きの悪い…!財前君は優しいから余計な人のまで引き受けることないっていってくれるだろうから…!なのにそれを…浮気だなんて…!私にも選ぶ権利くらいあるってのに…!」


「名前ちゃん俺んことまだ嫌いやろ」


「好きじゃないなら断ってますよ」「言い方には気を付けよーな、勘違いしてまうやんか」


「してもいいですよ、忍足様なら」


「…それ、」


「忍足様なら投げても怪我しなそうだし」


「……………せやな、名前ちゃんはそういう子やった…」


「なんなら受け身の取り方教えましょうか、真田先輩伝いで」


「遠慮しとくわ」


「え?なに?忍足様ってば私が惚れてもいいわよとか言うたと思ったんですか?とんだ勘違いやわー」


「俺名前ちゃんの機嫌損ねることした?イジメよくないで」


「右足が地味に痛くてストレス溜まってるんです」


「完全に八つ当たりやん」


「私だって八つ当たりする相手くらい選びますよ」


「なんで俺なん?」


「忍足様なら八つ当たりでも受け止めてくれるでしょ」


「…名前ちゃんそれホンマやめた方がええよ、勘違い男がストーカーにまで発展するで」


「私だってこんなん言う相手くらい選びますって」


「なんなん?小悪魔どころか大魔王やん」


「大魔王wwちょ、笑わせないで下さいよ!」


「小悪魔も度が過ぎると大魔王やわ」



忍足様に軽く叱られた。
騙すわけじゃないからいいじゃないか、少し都合良く言葉を使うだけで嘘はついてない。
叱られるのは心外である。



「大魔王すら落としたるでぇ…」



「大魔王の上ってなんすかww」