「……何で台車降りてんねん、歩けんくせに」


「そうそうまだ首も据わってなくて…って何でw何でそうなるんですか!ユウジ先輩拗ねすぎですよー機嫌治して下さい」


「お前が不愉快なことせんかったらええねん」


「何かしました?」


「……俺には何があったか言われへんのやろ、その他なんやろ」


「…………え…、あ!財前君か!ユウジ先輩待って拗ねないで下さい!」


「別に拗ねてへん!何やねんお前!」


「だってユウジ先輩は大体わかってたじゃないですか!それに財前君みたいに木原先輩に危害加えたり、みたいなことはないだろうし、わかってくれてるから言わなくてもいいかなっていう…」


「…何で俺があのアマに手ぇ出さん思うんや」


「……せ、節度があるから?」


「俺が聞いとるんやぞ」


「ユウジ先輩は何も言なくてもわかってくれると思ってました」


「……」
「……」



なにこれどうしたらいいんだ、機嫌が浮上する気配がない…!焦ってきて、肩をちょんちょんと叩かれ振り向いたら小春ちゃんで、彼はとんでもない爆弾を落としていった。




「ユウ君名前ちゃんのこと心配しとったんやで〜、光に嫉妬するくらい☆」


「こっ…!小春ーッ何言うてんねん!かか、勘違いしなや!こ、このアホ!面食い!コート戻るで小春!」



え、ちょ、いや、まってくれ、なんだそれ。なんだそれ可愛すぎるだろ!
ユウジ先輩が小春ちゃん連れてコートに戻るのを見ながらユウジ先輩になんて言おうか困った。だってなにこの人可愛すぎる…!



「ユウジ先輩!」


「うっさい黙れ死なすど!」


「せっ……せ、セクハラしてもええですかッ!?」









 


私の大声が響き渡り、エコーがかかったような気がする。皆こちらを見ながら固まっている。この時のユウジ先輩の残念なものを見る目は忘れられないだろう。