「子連れ狼か!」


「おぉ流石!他の学校のやつらは突っ込まなかったのに」


「さすが元祖ヘタレ先輩」



さすがにそろそろ冷たい視線に耐え兼ねてやめようとしたらやっとヘタレ先輩が突っ込んでくれた。
小春ちゃんにヅラを借りて被ったら財前君に無言で取られてヅラを捨てられた。
その瞬間ユウジ先輩に新しいヅラを被せられた。



「ユウジ先輩何すんねん、変なもん被せんで下さい」


「お前こそ何してんねん」


「二人共人の頭を引っ張らないで下さい」


「馴れ馴れしいわユウジ先輩、何で触るんすか」


「触りたくて触っとるんちゃうわ、お前こそ何やねん」


「あの、痛いんですけど」


「痛がってるやないですか離せや、触んな」


「お前こそ何ベタベタ触ってんのや、離せ」


「地毛抜けるwはげるww」


「そこまでにしてくんね?名前はげるww」



部長の言葉でユウジ先輩が振り払うみたいに私の頭を捨てたので反動で財前君の腰あたりに頭突きを喰らわせてしまった。なんたることだ。



「はげたらええんに」


「ユウジ先輩なんでそんな機嫌悪いんですか」


「…………知らん」



そのままコートに戻るユウジ先輩にやっぱ違和感。どうしたんだ何故に拗ねているのか。
そして財前君は人の髪を耳にかけるのをやめてくれ、くすぐったいしなんかあれだ。



「うふっ!名前ちゃん理由知りたいー?」


「超知りたい!教えて小春ちゃん!」


「光に聞いてみたらええわよ〜☆」



原因、光やから!
とウインクをした小春ちゃん。マジでか何したんだ財前君。

財前君を見上げると俺知らねぇみたいな感じで顔そらされた。

…え?な、なにこれ凄い消化不良。



「…青春だな」


「部長…」


「おう」


「さりげなくヅラ被んのなしですよ、笑っちゃうww」



とりあえず今日はユウジ先輩の機嫌をとることにした。