忍足様の生足スバーッはスルーしたが彼は諦めていないらしい。とんだ変態である。
忍足様が足フェチという情報を忘れようと写真に専念していると身体が浮いた。…ん?身体が浮いた?あ。


「トトロの先輩」


「千歳千里、トトロの先輩はやめて欲しかね」


「千歳先輩おろして下さい」


「皆の雰囲気が戻ったと。あ、白石だけピリピリしとる…」


「良かったですね」


「ばってん、白石はなんばしよっと?」


「好きな女がいるくせに素直になれないらしいです、生暖かく見守ってあげて下さい。つーかおろして下さいww」



千歳先輩は私を持ち上げるのが好きらしい。重量挙げか。
おろしてもらって練習行くのかな、と思ったら人の頭を撫でるのでどうしようかと思った。振り払うわけにもいかんだろう。



「千歳何しとん、コートこっちやで。早よ来いや」


「愛でとる」


「…悪いな、ちょっとコートまで一緒に来てくれん?」


「いやもうちょい頑張りましょうよ」



ヘタレ先輩が連れ戻しに来たと思えばなんか凄い疲れていた。私には計り知れない苦労があるのだろう。
コートまで行くとエクスタシーさんがすごかった。



「金ちゃん!コシマエとの勝負は最終日言うたやろ!もうすぐなんやから待ちなさい!ええ子やないと試合棄権にするで!

模擬戦してもらったんにその態度は何や財前!態度に気ぃつけなさい!あっコラ!返事は一回!礼もせんとアカンやろ!

ユウジと小春は小道具出しっぱやねん片付けや!やから部室のロッカーも片付かんのやで!整理整頓心掛けなさい!」


「お母さん」


「ぶふっ」



ついお母さんと呼んでしまった。
うっわうっざいタイプのオカンだ、エクスタシーさんってこんなんだっけ?まぁいいけど。



「聞こえたで名前ちゃん」


「えっごめんなさい」


「名前ちゃん財前と千歳甘やかしすぎやで。千歳がどっか消えるんはいつものことやけど見付けたら叱るまでいかんでも報告して欲しいわ。練習さぼっとんのやで?財前の言うこともなんでもうんうん聞いとったらあかんやろ?ワガママを助長させとるだけやで?財前の為にならんことなんやで?それに女の子がそないボタンあけたらあかん!はずしてええんは第一ボタンまでやろ!ちゃんと第二はとめなさい!」


「うっぜぇええ!なんだこのオカン!」


「これがいつもの機嫌悪い白石やねん」


「機嫌悪いんですか、私は退散します」


「ちょお待ちなさい、名前ちゃん。写真撮りながらたまに音楽聞いとったり菓子食べとるんやて?」


「な、なぜそれを」


「見たらわかるわ。ポケットのお菓子と音楽プレイヤーは預かります、態度を正して部活に励みなさい!」




私はもう二度とエクスタシーに近寄らないと誓った。