「名前ちゃんそれでええん?」


「私のプリンに何か問題でも?」



忍足様が近場の焼肉屋の割引券を持っていたので私は肝試し参加で奢ってもらった。そしてそういやケーキどうする、と言われたのでコンビニでプリンをお願いしたらえ?みたいになった。



「一番安いやつやん。しかも焼肉じゃレディースコースで安くしてくれとったやろ」


「調子乗って高いの買うとか引くじゃないですか。いくらなんでもそんな常識くらいあります。まず焼肉奢るとか凄すぎなんですよ。まぁ仁王先輩なら財布をすっからかんにしてやろうと思いますけど」


「割引あったから奢る言うたんやで。…ホンマ、それが普通やんなぁ」


「で、プリンでいいですか。」


「ええよ」



忍足様はブランド物をねだる女子が近くにいるのだろうか。
プリンだって結構するぞ。三つはいってるプッチンプリン。

レジのお兄さんに彼氏かと聞かれたので恐ろしい、と返しておいた。
外で猫と戯れている部長に買ってもらったプリンをあけて一つあげた。代わりに猫をだっこさせてもらった。

「忍足様猫がいるので自分でプリンとってください」「…やから三つのやつ買ったん?」


「三人いるのに、もったいないじゃないですか。ねーねこ」


「やっぱ名前ちゃんええわー…部長さん、合宿中だけでええから貸してや」


「やだ俺が寂しい」


「部長なら貸し出しますよ、私には小春ちゃんがいるんで」


「ユウジ君にチクっとくわ」


「ごめんなさい」



忍足様への苦手意識はもう微塵もない。二人っきりは嫌だが誰かいれば全然大丈夫だ。



「せや、パーティーの衣装貸出ししとるやろ」


「あぁ正装」


「お願いあんねんけど」


「なんですか」


「名前ちゃんには生足スバーッと出したのが似合うと思うんや。」



やっぱ苦手だ。