「納得出けへん」


「金ちゃんの為やんか」


「大人げないで白石」


「せや諦めろ」


「聖書なんやろ」


「勝ったもんがちや、いや、逃げたもん勝ちや」


「夫婦漫才出来るで」



喚きっぱなしのエクスタシーさんを皆が慰めている。なぜこうなる。エクスタシーさんは木原先輩が好きだったじゃないか。まさかまた仁王先輩現象か?



「エクスタ…、白石先輩、木原先輩大好きだったじゃないですか。まさかこの数時間で飽きたんですか」


「、…ちゃうわ。そんなんとちゃうねん。」


「……せや。なんでかわからんけど、…なんで好きか、急にわからんくなんねや…」



エクスタシーさんが俯き気味でそう言うとヘタレ先輩がフォローするように言葉をたした。
…なんだかなぁ



「それってつまりは二人の恋愛観っちゅー頭のネジ外れとるだけやないんすか?」


「今の聞こえたやろ」


「いやぁ最近難聴気味で…」




危なかった。
私が口を滑らす前に財前君がそれはもうドストレートに言うのでヒヤッとした。




「あ、名前返してくんね?朝飯一人とかテンション下がる」


「部長…おはようございます、寝癖やばいですよ」


「そんな俺も好きなくせに」


「まだ眠いんですね」



横の財前君がなんかイケメンオーラに黒いもん含ませてきたが気のせいだろう。 部長の寝癖を写メりながら立海の近くにかえってきたら立海の方々の会話が聞こえてきた。



「昨日カートの置き場また間違ってたよ」


「えっ…ご、ごめんね!私よく天然って言われちゃうのそのせいかなぁ」




「全国のガチ天然に謝れ木原。自称天然とか痛くて歩けねー」


「部長落ち着いてほらハムエッグ」



あろうことか部長はそうとうイラついていたのか、木原先輩にすげぇ暴言を吐いたのだ。
皆こっちを睨んでいる。信じられんなぜこんなことをしたんだ部長。
その場から離れて着席すると部長は目が覚めたのか謝ってきた。



「…いや、俺のクラスにさ、俺が名前呼んでんのにテンパって「え…わ、私?わた、し…?」みたいに戸惑うガチ天然いるんだけど」


「部長が部費の申請忘れた時に私を助けてくれた、猫に顔赤くしてたあの先輩ですね」


「そうそう。あれがガチ天然なんだよ。あいつを木原と一緒にされたくなくて言っちゃった、ごめん名前」


「部長然り気無くモテるんですね」


「あの時くらいしか話しかけたことないけどな。なんか嫌じゃんクラスメイトバカにされたみたいで」


「もういいですよ。例えるなら木原先輩が財前君が横にいるにも関わらず俺イケメン発言するのと同じですもんね、そりゃ口出しますよ」


「それは違う」



寝起きの部長は少し冷たかったです。