「ユウジ先輩何で拉致るんですか私の朝ごはん向こうなんですけど」


「ホンマムカつく」


「ユウジ先輩のイラつきはあれですよね、木原先輩が私に熱い視線おくってるのと関係ありますよね」



朝、豪華すぎる食堂についたら首を掴まれユウジ先輩に拉致られた。横にヘタレ先輩がいたのだが財前君が謙也君邪魔、で無理にこちらへ座っておはようといってきたもんだから可愛くてどうしようかと思った。



「あ、忘れとった。お前財前に寄るな言われたやろ」


「もういいや、はい」


「財前やのうて白石やる言うたら納得しとったで」


「俺ユウジ先輩めっちゃ尊敬してますわ」


「ちょ…ちょ待てや意味わからんで!なんやそれ!ま、待ってくれ意味わからんで!」


「良かったやんけくーちゃん、相思相愛や。末永く御幸せにな。財前は調子乗んな、お前の為ちゃうぞ」


「せや部長なんなら二人っきりで無人島生活してもええんすよ。知ってます、先輩が俺のためとかなんかキモいっすわ」



滅茶苦茶取り乱すエクスタシーさんが面白くてニヤニヤしてたら小春ちゃんと目が合った。

「ユウ君素直やないから…名前ちゃんの為なんやで☆蔵リンには悪いけど」という感じのウインクをいただいた。



「ユウジ先輩私と財前君の友情の為なんですねありがとうございます」


「誰がお前らの仲の為や」



どうやらイラつきを増加させてしまったらしい。



「俺を差し出した意味がわからへん」


「餌やらんと暴れだすかもしれんやん、部長そんなんもわからんのですかダサっ」


「餌ってなんやねん!」


「財前君並の子を諦めるには同じくらいイケメンの餌…、やべ餌って言っちゃった。エクスタシーさんが必要だったんですよきっと」


「ほめとるん?それけなしとるやろ」


「財前君と同等という時点で最高にほめてます」


「ちゅーわけで蔵リンの両思いなんに焦れったい恋応援しよ!」


「金ちゃんもな!」


「し、白石…そやったんか、なんかようわからんけど頑張ってなー!ワイ、コシマエに試合申し込んでくるわ!」



 
元気に走りさった彼を見て皆がホッと一息ついていた。
ユウジ先輩も木原先輩になついてるあの子を傷付けたくなかったんだろう。だからエクスタシーさんを餌にしたのか。実にわかりにくい優しさだが素敵である。