「名前ちゃん、ちょっといいかな?」


「ちょっとってどんくらいですか」



夕食逃げようぜって話になって部長と待ち合わせしてたのでロビーっつーかそんな広いとこで待っていたら木原先輩に声をかけられた。
先輩は所用があるとかで15分程来ないらしい。



「すぐだから。」


そう言われてラウンジのような所へと手を引かれた。
彼女は一体なにがしたいんだ。そんな風に思っていたら彼女がマシンガントークを繰り広げた。




「私の友達ポジションあげたからって、皆に馴れ馴れしすぎなんだよね。皆私のなのに、ちやほやされるとか生意気」


「…………は…?」


「私だって不本意だし。友達ポジションの奴が好かれるとかないから。普通テニス部毛嫌いしてて、私のこと大好きになる、スッゴい美少女がそのポジションだっていうのに……はぁ、本当最悪」


「はぁ」


「結局テニス部目当てなんでしょ?皆がカッコいいから近付いてきて……、光とか謙也にベタベタして気持ち悪い!」



「ユウジ先輩と小春ちゃんはいんですか」


「……もうあんなホモいらない、あげる」




良かったですねユウジ先輩。彼女ホモはいらないらしいです。そんな風に考えたんだがムカつきましたよこれ。人の従兄弟なんだと思ってんだゴルァ、あげるってなんだゴルァ



「とにかく、あんたは三人で漫才でもなんでもやってなさい!他の皆に手出さないでよ」


「出した覚えがございません」


「侑士と光、雅治にだって出したくせに!」


「どちらのお宅の雅治さんと侑士さんですか。財前君をガン見したのは認めますごめんなさい。」


「ふーん、光可哀想。もう近付かないでよ」



去り際に彼女は私を一睨みして乙女走りで走っていきました。あの、え、もう、これ、やばくね?誰もいないから喋っていいよね?



「うわぁああ!も…っ、なん、突っ込み方がわからん!とりあえず乙女走り速すぎやんけ!なんであの走り方であんな速いんやおかしいやんけ!ちゅーかテニス部目当てって!財前君目当てって言われるならまだしも!そんなら素直に謝ったんに!
そもそも目当てってなに!?金持ちで玉の輿目当てって言われんならわかるけど、テニス部目当てって!跡部先輩限定やんけ玉の輿!
しかも皆って何人夫とる気なんや、一妻多夫制か!
テニス部写真撮りに来ただけやし!卒業アルバムに載る分撮ったら帰る気満々だったんに変なタイミングで事件が起きるから帰れんかっただけやし!
………ちくしょぉおお!こーなったら小春ちゃんとイチャついたる!ユウジ先輩から小春ちゃん奪ったるぞボケェエエェ!!」



元気よく走り出して四天宝寺の方々の部屋にいた小春ちゃんに抱き付いたらユウジ先輩に関節決められた。