「そもそも目が気に食わない。あ、この女俺に惚れてんな、みたいな。その女子をレベル低いみたいな顔で見る傲慢さがウッザイ。
丸井先輩や切原君みたいに素で無神経でアホなら呆れるだけですけど、…仁王先輩、木原先輩が私をミーハーっていった理由も狙いもわかってたくせに、マネージャーやめさせるとか言ったくせに、あろうことか傍観決め込んで。自分は一歩引いて見てますよって面殴りたくなる。
その狡さが嫌いです。仁王先輩には私を助ける義理もないだろうからこんなこと言われて頭にくるでしょうね、私も一緒にいると吐き気するんで早く終わらせて下さい。で、話って何ですか。」



「………お前さん本当にあいつらの前では基本いい子装ってたんか」



私のセリフに顔を歪めながら言った仁王先輩は驚いていた。こんなのは財前君には見せたくない。だが別に仁王先輩ならいい。


「小春ちゃんは知ってます、私の性格。で、なんなんすか話って」


「……さっき言った通り、俺は名前ちゃん助ける義理もない。」


「謝れなんて言ってないんだから掘り起こさないで下さいよ。性格悪いな」


「義理はなくとも助けときゃ良かったと後悔しとる」


「はぁ」


「女を振り向かせる方法なんて俺はこういうやり方しか知らん。」


「とことん残念っすね」


「悪かった」



目が合った。
悪趣味な奴。わざわざ謝りに午前の練習を放って変装までしたのか。
つーか最初に謝っても許せないと言ったろーに。





 



「じゃあ、」