「なに見とんねん」


「…あ?別に見とらんわ」


「目付きわっる」



なんやこいつ。
ごっつ感じ悪い。俺も目付きええ方やないけどこいつ程やない。無表情やし無愛想やし全く可愛げっちゅーもんがない。お前ガキのうちからそれって問題やろ。



「おい、ちょっとはガキらしゅー出来んのか。年上にその態度は何や」


「ガキにガキ言われたないわ。」


「あぁ?」



ふい、と顔をそらされた。
……なんやこいつ。ごっつムカつく。喧嘩売ってるんやろこの態度は。イライラしとったら名前呼ばれた。
あー…そや、持久走の表彰やった。一位やで一位。隣のそいつを鼻で笑うてから表彰を受けた。タイムまで読み上げてくれてご苦労さん。
今年頑張ってんで、自分でも満足してん。



「名字名前、」


「……」



俺が戻って来て女子の一位の名前が呼ばれたらそいつが無言でステージに歩きだした。
ほー、無愛想でも足だけはそれなりなんか。そんな風に思っとったら読み上げられたタイムにビビってもうた。俺よか速いて何やねん

女子に負けたってありえん、なんやそれ。あいつ女ちゃうんちゃう?

女の皮被った高校生とかやろ、なんやそのタイム。一秒。一秒やったけど負けた。なんやそれ。



「……ガン見しすぎや。何やねん」


「………ドーピングとちゃうんか」


「失礼やな。してへんわ、年下の女に負けたんがそんな気に食わんのかいな」



は、なんなん
なんなんこいつ。ホンマムカつく。
言い返すのもムカついとったら二位のやつの表彰が始まった。女子の二位はこいつとえらい差があった。ダントツの一位か…。
ホンマ気に食わん女やな




 

「また名字かい…、あいつ速いくせに駅伝とか蹴るんやで。わけわからん」


「訳わからんよなぁ。なんかお高くとまっとるっちゅーの?うっといわぁ」


「この前のテストも一位やってんで。なんや機械みたいやんな、無表情やし」


「せやなー、ガソリン入れて走っとるんちゃう?」



後ろから笑い声が聞こえてきた。声無駄にデカイから聞こえてきてきよった。名字っちゅー奴は表情ひとつ変えんとそれ聞いて俯いた。顔は髪で見えんかった。

でも震えて手握り締めてんのは見えた


…………なんやこれ、おもんな





 

「おい」


「……なんや話しかけんな」


「敬語使えアホ、次や」


「は、意味わからん」


「次、タイム抜いたる」



横目でこちらを見ることしかしなかったんに、驚きすぎてこっち向いてきた。うわ、こいつまともな表情出来んのや。そっちのが数倍マシやんか。




「俺を後ろの奴等と一緒にしなや、ドーピングや言うたの取り消しや」


「…せや、実力で負けてんであんた」


「生意気すぎや!かっわいないな!」


「痛、ちょ…!なんなんあんた!触んなや!」


「ほー、お前ちゃんと表情あるやん。ちゃんと人間やな、何が機械やアホらし」


「……っ、うっといねん!離せ!」



生意気やったから頭を滅茶苦茶に撫で回したった。顔真っ赤にして大声で離せとか言い出すから周りに見られたし教師に注意された。そない大声出さんでもええやろ、何やねん



「…………あんま近寄んな。高飛車名字の仲間や言われんで」



こいつそんなん気にするんや。なんや普通のガキやんか。おもろそうやし付きまとったろ。








 
「礼とか、絶対言わへんからな!嬉しいとかないからな、勘違いしなや!」


「お前こそ勘違いすんなや、俺かて暇潰しや!」


 




――――――


ツンデレ同士になってしまいましたすみません

幼少期に会ってたらケンカップルになってそう美味しい^p^

リクエストありがとうございました!




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