41









泣きながら車を運転した
何度も臣君からの
着信があったけど
出れずにいた









本当に楽しみにしてたのに
もっと私がはっきりと
断っていれば
今頃一緒に幸せな
クリスマスを過ごせた
はずだったのに…













切なくも
今日はホワイトクリスマス












この降り積もる雪が
余計に私を悲しくさせる














家について
玄関の前で
しばらく動けずにいた




なんて言って
入ればいいの?




臣君は今
怒ってるのかな?
仕事が終わったよって
メールしてから
どれだけ時間が経った?











せっかく止まった涙が
また溢れてきた













もう謝っても
謝りきれない…
フラれる覚悟で
ドアを開けた















ドアの開く音に気付いて
臣君がリビングから
走って迎えてくれた













「…まろん!?どうした?」













泣いている私に
ビックリして
頭を優しく撫でてくれた














「ごめんなさい…
私…わたし、本当は…」

「…寒いから、早く入って
落ち着いたらでいいから」

「うぅ…ごめんなさい…」












臣君の声と手のぬくもりが
余計私を悲しくさせる


ひたすら謝ってても
臣君はずっと
大丈夫、大丈夫って
言い続けてくれた














「仕事、早く終わったのに…
一緒にクリスマス
過ごせなくって
本当にごめんなさい…
もう私、最低だよ…」













どんな顔をしているか
分からないほど
涙で視界がぼやけているけど


臣君は笑って
私を抱きしめてくれた















「何言ってるの?
クリスマスはまだ
終わってないよ?」

「……え?」

「ほら、時計見てみて?」














涙を拭いて
テレビの横に置いてある
時計を見てみたら



















「…あれ?まだ25日…23:55分
…え、なんで?」

「まろん、
メリークリスマス」



















そっと触れるだけのキス





いつもしているのに
今日は格別に甘く感じる















臣君が、こっそり
時計の針を戻してくれていた




泣きながら何を言ってるか
分からなかったと思うけど
ひたすら謝っている理由が



きっとクリスマスを
一緒に過ごせなくて
ごめんねの意味だって
分かってくれたんだと思う
















「よかった
一緒に過ごせて」

「……ありがとう
本当に大好き……」

「うん、俺も」


















世界中で
私達だけクリスマスの時間が
少し長かったんだね




そうしてくれたのも
私の最愛の人のおかげ




臣君と出会えて
本当によかった…

















「ねぇまろん
クリスマスプレゼント
欲しいでしょ?」

「え、あるの?」

「もちろん
でも忘れちゃう前に
時計の針、戻しておこうか」


















そう言われて
時計の時間を戻そうとしたら
後ろに小さな箱があった















「なにこれ?」

「開けてみて」
















その小さな箱の中身を
確認するや否や
ぐっと目頭が熱くなって
また涙が溢れてきた
















「これ…指輪…」

「まだ、言いたいことは
言えないんだけど…
これからもずっと
俺のまろんでいてほしい」

「…うん」

「同じ時間を共有して
これからもたくさんの思い出
作っていこう」























薬指に輝くシルバーのリング





















あなたとなら
永遠を信じてみたい






















ありがとう、愛してる





























Merry Xmas!!!!!!
2012/12/25


 

[back]


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -