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岩ちゃんの顔を見ずに
楽屋に戻った









メンバーに見られないように
真っ先に顔を洗う









絵「何やってんの?
さっき化粧した
ばっかじゃん」

「気に食わなくてさ
もう一回やってもらう」











そんな言い訳
うちのリーダーに
通用するわけないのに











絵「なんかあった顔だ」

「…何もないよ」

絵「強がっちゃって
目が腫れてるけど?」

「ほっといて」

絵「何があったかは
知らないけどね
仕事に支障出るから
さっさと気持ち切り替えて」













私たちはプロだから
私情を仕事に
持ち込んではいけない














そんなこと分かってる














リーダーの言うことは
何一つ間違ってないのに















「だったら私
この仕事辞める」
















どこまでも
落ちるところまで
落ちていく気がする

















絵「…だったらもう
帰ってもいいよ
そんな半端な気持ちで
やられるくらいなら
いない方がマシ」



















今まで何があっても
仕事に穴を
あけたことなんて
なかったのに



















臣君がいないだけで
こんなにも私は
変わってしまうんだ




















「私なんかいなくても
みんなでやっていけるもんね」

絵「そうだね、今のまろんが
いたって正直足手まとい」

「…ならいなくてもいいか」

絵「そんな甘い考えしてるなら
今すぐJ-raxから出てって」

可「ちょっと絵菜!
それ言い過ぎだって…」























私の居場所はどこにあるの?























絵「…そんなに器用に
なんでもやろうと
しなくていいじゃない」

























そっと頭を撫でられて
壊れ物を扱うかの様に
どこか懐かしい
絵菜の体温を感じた



























絵「ごめん、臣君との
やりとり全部聞いてた」



























我慢してた涙が
次々と溢れ出してくる























苦しいよ





辛いよ





悲しいよ





























絵「女に男の気持ちは
分からないかもしれないけど
これだけは分かるよ」

































こんなにも
安心できる場所が
まだあったなんて



































絵「臣君はまろんが
大好きなんだね」
















































分かってるよ
臣君が私に注いでくれる
十分すぎる愛情





































絵「ほら、こんな所で
泣いてばっかいないで
行っておいで?
今の気持ちちゃーんと
伝えてくること
いいね?」
















































胸が苦しいのは
あなたが好きすぎて
辛いから





今すぐ伝えたい





愛していると

 

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