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年末の時期が近付くにつれ
音楽番組の仕事が
たくさん回ってくる












一度落ち着いたと思っても
すぐに仕事が増えていくので
休む暇もない












「せっかくドラマ
クランクアップして
一息ついたとこだったのに」

槇「贅沢な悩みね」

「でも本業は
アーティストだし
頑張るか〜」












そんなこんなで
向かっている先は
都内のスタジオ











今日は毎年恒例の
FNS歌謡祭の練習に
あるアーティストと
約束をしているのです












「はぁ…なんでこんなに
気分が晴れないんだろう」

絵「失礼のないようにね」

「はーい」












スタジオに入ると
もうすでに準備万端の
みなさんが…













「まろんちゃん!
久しぶりだね
元気そうでよかった」

「後藤さんこそ
お元気そうで」














そうです、私たちが
FNS歌謡祭でコラボするのは
JASTのみなさんでした












「まさか僕たちとの
コラボ、受けてくれるなんて
思ってなかったよ」

「私もまさかJASTさんと
また一緒に仕事できるなんて
思いませんでしたよ」

「…三代目のみんなとは
コラボしないの?」

「もちろんしますよ?」

「いいよね、僕たちも
三代目のみんなと同じくらい
J-raxと仲良くしたいのに」

「それは嬉しいです」












私はPVに出たとき以来
いまだに少し苦手意識が
あるのは変わらないようだ












最初はみんなでご挨拶して
他愛もない話をして
具体的に話しを進めていく













結局JASTの曲を
一緒に歌うことになった














後「いいんですか?
僕たちの曲で」

絵「私たちの曲を
歌うよりは
絶対どちらも
歌いやすいですよ」

後「音程の問題まで
気にしてくれて
ありがとうございます」

絵「いえ、ではさっそく
練習しましょうか?」














曲はとても明るい曲で
ライブ向けの曲













数時間練習して
少し休憩を取った














「まろんちゃんって
三代目の登坂君と
付き合ってるの?」

「何でですか?」

「いや、三代目の
武道館公演
実は見に行ったんだよね」

「え!?後藤さんが!?」

「こっそり(笑)
すごく仲良さそうで
付き合ってるのかなってさ」















ここで言っておくのも
悪くないか…
















「付き合ってますよ」

「やっぱりね
すっごくお似合いだと思う」

「ありがとうございます
後藤さんは
彼女いないんですか?」

「俺?んー…まろんちゃんが
タイプとか言っておきながら
実はいるんだ、彼女」

「え、そうなんですか?」

「うん、高校の時の同級生で
恥ずかしいけど
ずっと片想いでさ」

「後藤さんの片想い!?
こんなにイケメンなのに
意外と奥手なんですね」

「恋に関してはなんだか
慎重になっちゃってね
最近なんだ、やっと
想い伝えれて…」

「おめでとうございます!
私も付き合って
そんなに経ってないんですよ
お互い初めて会った時から
好きだったのに(笑)」

「それ、俺も(笑)
お互いずっと好きだったけど
なかなか上手く
いかなかった(笑)」
















こんなに話が弾むなんて
思ってもいなかったから
話出したら止まらなかった













ぶっちゃけチャラいのかな?
って思ってたけど
実は一途で彼女想いで
なんか少しだけ
臣君に似てる気がする


















「私たちの恋愛って
なんだか似てますね」

「そうだね、でもお互い
報われて良かった」

「彼女、一般の方ですか?」

「うん、今は普通の会社員」

「本当に意外ですよ
後藤さんはもっと
大物アーティストと
付き合ってる
イメージなのに」

「それメンバーにも言われる
でも本当に大切にしたい
人なんだよね」


















今までの苦手イメージは
すべて消し去って
お互いの恋愛相談で
休憩時間は終わった
















こんなに男の人と
話したのは久々だったから
少し…いや本当に
楽しかった


















そしてあっという間に
FNS歌謡祭の日を迎える

 

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