強がりなあなた、弱気な私









広いリビングに漂う重たい空気。不機嫌な冷血男とその舎弟(名前が分からないので勝手なイメージ)が私の持ってきたお気に入りのソファーに座る。






「ちょっと、そのソファーに図々しく座らないでよ」

「は?偉そうなこと言うなよ。そっちこそさっさと出て行けよ」

「あのね、ここは私の家なの。芸能人だかなんだか知らないけどね、もっと高級なマンションに引っ越せばいいじゃない」

「この、身の程知らずめ」

「まぁそう言うなよ隆二…」







私たちが何故ここまでいがみ合っているのかは、ほんの数分前の出来事…









「あの…どういうことですか?重複契約って。私全然話が見えないんですけど…」

「えっ、女!?ダメダメ、そりゃまずい」

「確かに女の子とは一緒に住めないよな、さすがに…」






明らかに不満そうな顔をしてこっちを見てくる二人。なんだかな、だんだん腹が立ってきたぞ。とくに「隆二」とかいうあの帽子にグラサンの態度がデカイ冷血男。






「契約の時も話しましたけど、俺ら芸能人なんで一般人と一緒に住むなんてありえないんですけど」

「で、ですが…今この状況で私たちには判断し兼ねるものなので、双方の不動産会社に確認を取って頂けますか?」

「は?俺らが!?なんでだよ、そっちで確認すりゃいい…「分かりました。こっちで確認取りますので、とりあえず荷物はまた後日にしましょう」







私の意見は誰にも聞いてもらえず、冷血男の舎弟「臣」という奴が勝手に仕切って業者の方々は帰って行った。






「で?あんた誰?俺らの追っかけ?どうやって俺らの引越し先調べたんだよ」

「はい?私、あなたたちのことなんて知りませんけど。ていうか芸能人のくせして一般人にその態度って何よ」

「俺らのプライベートまで追ってくる奴らは相手にしてないから」

「いや、だから私あんた達のことなんか知らないって。何回言わせんの?」

「…は?」








喧嘩上等!と思ったがまた舎弟が間に入ってきてとりあえず中に入ろう。と言うことになり今に至る…










「こうなってしまったのは仕方が無いから…あの、今不動産会社に確認取れますか?」

「えぇ、取れますけど…ちなみにどこで契約したんですか?」

「俺たちは神谷不動産会社ってとこの社長の方にこの物件を紹介されて…」

「神谷不動産!?!?」






おい、ちょっと待てよ?神谷さんって…まさにこの物件を格安で紹介してくれた…









親戚のおじさんなんだけど…!?




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