ロイヤルミルクティ | ナノ

愛のシグナル






主演ドラマが決まりその打ち合わせ(顔合わせ)の最中、私はソワソワして意識が完全に携帯電話へと向いていた。ストーリーは、簡単に言えばラブストーリーな訳で…豪華なキャスト人が集まり変な緊張感が漂う






打ち合わせが始まる前に、私が恋をする相手役になった人にご挨拶されたことが、今私の意識が完全に携帯電話に向いている理由。台本読みや軽い雑談の最中もソワソワして仕方がなかった






ようやく打ち合わせが終了し、そそくさと部屋から出て、ある人物に速攻電話をかけた。理由はただひとつ…







「もっ、もしもし?隆二!?」

「何慌ててるんだよ、どうした?」

「あのさ…!こないだ話してた、あの劇団EXILEの青柳さんと一緒に仕事することになったの…!」

「…あぁ、そう………で?」

「で?じゃない!もう打ち合わせ始まる前にご挨拶されて、なんかビックリしちゃって超素っ気ない感じで挨拶しちゃったぁ〜…どうしよう…」

「それで俺に電話してきたってわけか。大丈夫だよ、青柳さんマジで面白い人だから。心配すんな」

「でもさ〜、第一印象最悪じゃん!隆二からなんとか言っといて、お願い!」

「分かった、分かった。任せとけ」







まさか隆二とこないだ話してた青柳さんと早速お仕事でお会いするなんて思っても見なかったから、相当ビックリしてお得意の人見知り発揮。どうか私のことWiki○ediaで調べていてほしいなぁ…(人物の所に「極度の人見知り」と書いてある)







そんなこんなでまた監督さんにご挨拶しに行こうとミーティング室に戻る。ドアに手をかけたとき、扉が開いて中から青柳さんが出てきてバッチリと目が合った






「あっ…あの…」

「どうぞ。中で監督が待ってますよ」






変に1人でテンパってしまったけど、ふっと笑って中に入れてくれた。とても背が高くてかなり見上げてしまった。身長は何センチなんだろう(後でググろう…)






前回、一度一緒に仕事をしたことのある監督さんだったので気軽に話せて昔の話だったり色んな話しをして楽しい時間を過ごせた。そしてミーティング室を後にして、マネージャーを探していたときエレベーターの前に青柳さんの姿があった






「あっ、広瀬さん。丁度よかった」

「え…何ですか?」

「さっき、隆二から電話きましたよ。広瀬さんのことはちゃんと敬浩君から聞いてるんで大丈夫です」

「敬浩から…?」

「前、プライベートで飲みに行った時に、性格のひん曲がった極度の人見知りの親友をどうにかしたいんだけどって、相談受けたことがありまして…(笑)」







あいつ…私のことそう思ってたのかよ。完全に青柳さん、私のこと変な奴なんだって思ってるんじゃないか…?もう恥ずかしすぎてため息しかでないよ







そんな私を見てクスクス笑う青柳さんは、クールなイメージとは真逆な子供らしい笑顔だった。敬浩のことを君付けで呼んでることからきっと敬浩より年下なんだと思うけど、どっちかというと青柳さんの方が大人な感じがする







「広瀬さんのドラマとか映画、見てました。こうして共演出来るなんて光栄です」

「いえいえ、私なんかまだまだですよ。ありがとうございます」

「少しずつでいいんで、せっかく共通の友人がいるんですから、仲良くしましょう」

「はい、こちらこそよろしくお願いします!」







私より年上なのに、この気遣いだったり礼儀の部分だったり…なんか凄いな、尊敬する。それに身長も高くてスタイルも良くてかっこいい…欠点なんてないじゃん!







こんなに始まる前から撮影が楽しみに思えることは久しぶりかもしれない。だから頑張ろう、最高のドラマになるように


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