ロイヤルミルクティ | ナノ

君が知らないこと(番外編)








「嬉しそうですね、青柳さん」

「そりゃぁ、もう嬉しいさ!あの二人お似合いだしね」

「僕は、青柳さんの本当の気持ちが知りたいですよ」






いきなり臣がこっそり話しかけてきた。何のこと?ってとぼけても何か知っているみたいで、怪しげな目をしてくる。





「何なに、臣はどこまで知ってるの?」

「怜のこと、本当は好きだったんじゃないですか?」

「怜ちゃんのこと?まさか!」

「混乱させるようなこと言ったりしませんでした?」







あぁ、あのことね。撮影中に言った、あの言葉のこと?






「混乱させたつもりもないよ。むしろラッキーな方」

「ラッキー?」

「怜ちゃんとあんな深いキスが出来るなんて思ってなかったしね」

「ほら、やっぱり好きだったんじゃ…」

「冗談冗談。ほんの遊び心さ」





あんなキスされて何も感じない程つまらない男じゃない。怜ちゃんの気持ちが痛い程伝わってきたからちょっとからかってみただけ。





「遊び心って…それで怜はかなり悩んでたんですよ?」

「まぁ、結果それがきっかけになったでしょ?」

「ん…確かにそうですけど…」

「まぁまぁ細かいことは気にしない!結果オーライ!」






敬浩くんから聞いていた君のこと。性格のひん曲がった極度の人見知りの親友。テレビでは見せないその裏の顔をどう暴いてやろうか…なんて思っていた。






最初は素っ気なく挨拶されたから、噂通りの人だって思ったけど






明るくて、素直で、礼儀正しくて、可愛くて…






どこかで一線を引いていないと、簡単にその魅力に惹かれていってしまいそうだった。






絶対に手に入らないのならば、少し意地悪してみたいと思った。






そう、遊び心だった。






「でも、俺も隆二みたいになれたら少しは変わってたのかな〜」

「……青柳さん?」

「怖い顔すんなよ。だから冗談だって〜!」






君の幸せそうな顔を見ると、自分じゃその笑顔にさせることはできないんだなと思う。







君に幸あれ!!!!








「隆二、ドンマイだ。今日飲みに行くぞ」

「そうっすね。話したいことがたくさんありますから」

「……怒ってる?」









俺の一瞬の恋心、誰にも見つからない所に隠して俺は笑う。










_______今度こそEND


2015/12/25 メリークリスマス♪





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