小説 | ナノ

41






臣Side






正直VTRよりも
ずっとまろんを見てた







久々にしっかり顔を
見たような気がする







長かった髪も少し切って
髪色も明るい色から
暗くなっていて
一気に大人な雰囲気に
変わっていた








泣いているまろんの顔も
久々に見た








目があったような気がするけど
暗くてよく分からない











更「だって…さっき
抱き合ってましたから」












その真相はまだ
はっきりしていない









情けない俺は
隆二に一言
「付き合ってるの?」と
聞けないままだった









あの二人は親友で
仲がいいから
付き合ってもおかしくないし
何より俺から見ても
本当にお似合いだから









そんなことを思っていたら
いきなりの停電









何かが割れる音と同時に
一気に辺りが悲鳴で
騒ぎ出す













「まろん!!!」












必死でまろんの名前を呼ぶが
辺りがうるさすぎて
その声が届くことはなかった










そんなに遠くは行ってないはず
近くにいたメンバーに
声をかけて無事なのを確認










直「隆二は?」

臣「反対側に座ってたんで
分かんないっす」

岩「まろんの隣だったから
多分一緒にいるんじゃ」














まろんが無事なら
隆二といたって構わない












だから本当に
無事でいて…












そして5分ぐらい経ったころ
電気がついた


















絵「まろん!!!!」
















絵菜さんの声で
まろんの居場所が分かった



















でも




















絵「その血…!どうしたの!?」



















まろんは血まみれだった



















しっかり隆二に掴まって
隆二は出血してるであろう
手首をしっかり握って



















こんな時に俺は
何をしてるんだ




















とことん俺は
好きな人も守れない
ただのちっぽけな男だ























隆二と絵菜さんに連れられて
会場を後にするまろんを
ただ見つめることしか
できなかった






×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -