面白いものを拾っ……見つけた。名前はエニグマ。メス。特性は力持ちもしくは鈍感。技は眠ると騒ぐってところかな。まあ、人間なんだけどね(笑)


「ちょーとおーっ!(笑)ってなんですか(笑)って」
「(ツッコムところそこなんだ)ああ、エニグマ丁度いいところに。カイナとミナモどっちがいい?」
「あれれ。軽くスルーですか。なんなんですか」
「僕はミナモかな。じゃあミナモね」
「あーれー。私に拒否権なしですか。しかも聞いた意味なくないですか」
「しつこい女は嫌われるんだよ」
「な、なんか今心にどすって来た!どすっと」


なんだかんだで楽しいヤツだ。石のことも聞いてくれるし。なんでもおいしそうに食べるし。父さんの愚痴も聞いてくれるし。石のことも聞いてくれるし。石のことも聞いてくれるし!(え、私の存在意義ってなry)エニグマが来てからというもの、兄弟の居ない僕にとってとても新鮮な日々が送られていた。妹が居たらこんな感じかなあ。まあ、こんな人騒がせな子もどうかと思うけどね!一緒に居るのは楽しいが彼女は帰りたいという。なんでも仕事をほうってきたらしい。彼女に帰るところがあるのなら仕方が無い。というより彼女がそういうんだから此処にとどめておくことはできないだろう。ちょっと名残惜しいけどね。そういうことで船の手続きをするためにミナモシティに向かう。


「え、船でいくんですか」
「え、何で帰る気だったんだい」
「……そらを飛ぶ…?」
「うん。普通は無理だからね。普通は。ほら、僕のエアームドに乗せてあげるから」
「ふー様がいるから平気ですよー」
「ふわふわより確実にこっちの方が速いからね。文句言わずに乗りなさい」


はあーい。と間の抜けた返事が帰ってきた。エニグマのフワライド、ふわふわは誰に似たのか、そんなの明白ではあるけど、自由奔放なポケモンでどこまでもマイペースなようだった。そのふわふわはエニグマの肩に手(?)でバシバシと叩いたり背中に頭をこすり付けたりして遊んでいる。仲はいいらしい。ボールに入れていないのはここにボールがないからだった。エニグマは本当にこの身ひとつでホウエンまできてしまったらしい。不可抗力にしても、なんてチャレンジャーだ。
エアームドに乗るとエニグマはどこかに飛んでいかないようにふわふわを掴んだ。そして僕はエニグマが落ちないよう(どこかに行かないよう)に後ろに乗る。


「準備はいい?」


エニグマはコクリと首を縦に動かしただけだった。それを見て僕は少し笑いながら落ちないようにねと付け足すとエアームドを羽ばたかせた。







***

「すっごいですね!バビューンって!」
「だから言っただろう。ふわふわより速いって」


どうやらエアームドがお気に召したらしいエニグマはそれを聞いて妬いたのかふわふわにまたバシバシと少し激し目に叩かれていた。


「でもエアームド見てたら思い出しちゃいますね」
「?何を?」
「工場長ですよー。私の上司?なんですかね?」
「聞かれてもなあ。エニグマは工場で働いているの?」
「工場…、じゃなくてアレです」


バトルフロンティアって知ってますかー。そうかバトルフロンティアかあ。そうだよな。あそこは強豪ぞろいの施設だもんな。エニグマがいたって不思議じゃ、


「え?」
「そこのバトルファクトリーってところd「ええー。エニグマバトルできるの?!」
「もう。話しは最後まで聞いてくださいよう」
「……その工場長も苦労してるだろうに」


そんなことないと言い張るエニグマをよそにひそかにため息をつく。本当に世話の焼ける子だねこの子は。



(こんな部下は絶対要らないなあ)

091003

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