「シンオウ?随分遠くからきたんだね。旅行かい?」
「いやー、旅行といいますか放浪といいますか流されちゃったね★的な」
「……家出?」
「いえ、ですからですね、」


かくかくしかじかでね、と言えば僕は電波キャラじゃないからなあって言われた。あれ、これって小説の二次元の特権じゃないの?違うの?仕方ないから一から説明することにした。てゆーか寝てたらここに居たんだよってだけなんだけどね。ふー様がいるから多分、一緒に風にのって飛ばされたんだと思うんだけど、昨日ふー様枕にして寝てたし。そんなこともあるのか。とダイゴさんはまだ納得してないみたいだったけど。


「だとしたら大分大きな風にのってきたんだね」
「そうなんですかー」
「だってここ、ホウエンだよ」
「砲煙?……ホウエン?!うわわあ!私シンオウから外でたの初めてです!」
「……うん。君の親は大変苦労してそうだね」
「そうですかね。えへ」
「(誉めてないんだけどなあ)どうするのこれから」


どうするって帰りますけど。ダイゴさんはすっごく心配そうな顔でそのフワライドで?と聞かれた。何か問題でもあるのだろうか。あんまし思い当たんないんだけどなあ。


「みたところその子は気まぐれみたいだね」
「わーすごいですね!その通りですー」
「その子に乗って目的地に着くのはいつになるんだろうね」
「んー。まあ、いつかは着きますよ」
「(はあ)……君は僕が責任を持って送り届けるから」
「いーんですか!」
「今日のお礼もあるしね」
「わーい!ん、でもそれは助けてくれた変わりじゃありませんでしたっけ」
「いいんだよ。なんだか君を一人にしておくほうが心配だし」


ダイゴさん太っ腹ー!世の中捨てたもんじゃないね。しかも今日は泊めてくれるらしい。なんていい人なんだ。私、一生ダイゴさんについて行くであります隊長!
…………うん。ね。なんとなく、なんとなーくだけど分かってましたとも。確かに、ダイゴさんの家は豪邸だったし(もうホントすごいの。横にも縦にも大きい!)ごはんもおいしかったし(ナイフとフォークとか使う料理食べるの初めてだし)ベッドはふかふかだし文句はないんです。全くもって。家には。……家には。(大事なことなんで2回言いました)


「エニグマ、これはね僕が初めて1人で洞窟にいったとき見つけた石で。嗚呼、あのときの感動といったら!これを拾い上げたときの重さ、質感、この石のなにもかもが僕を奮い立たせたんだ。今でも鮮明に覚えている。忘れたくても忘れられるほど軽いものじゃないね。そして、この石なんだけど、どうやらポケモンを進化させないまま育てられる石らしいんだ。進化させないんだよ。すごいと思わないかい?!こんなちっぽけな石だけど素朴にかつ大胆にポケモン達を左右するんだ!これはとてもすごいことなんだ。生命の神秘に並ぶほどだと僕は思うよ。ポケモンが卵から生まれることよりも重大なことだ。石とポケモンの関係性。そしてそれは僕らにも大きく関わってくる。もしかしたら小さな石ひとつで僕らの生活も変わってしまう日も来るかもしれない。なんて偉大なんだ!ねえエニグマ、君なら理解できるだろう石のすばらしさが!」
「そうっス、ねー…?」
「あああ。なんで石ってこんなにもすばらしいのだろう。それでいて魅惑的でそこにあるということだけで意義がある」
「(もう、眠いんだけどなー)」


(コクリコクリ)

090928
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私はダイゴさんを何だと思ってるんだ

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