「こ、ここはドコデスカー」


ええー。なんで。どうして。何があった私!なんか口の中塩っぱいと思って起きてみたら海にの上にいた。勿論、私がただ一人海に浮いているわけではない。下には手持ちのフワライドのふー様ことふわふわがプカプカといる。おい、どこだよここ。てゆうか、ねえ、ふー様起きてよ。こんなとこでよく寝られるなあ。


「ここどーこおおお!」
「やあ、ちょっとそこの君」
「うわ!」


叫んでたら誰かから声をかけられる。だ、だれですかー。と周りを見渡すも人は居らず、背筋が凍る。(だ、だれも居ないじゃないか!)そしたら上だよ、上。とまた声。見上げると人がいた。エアームドの羽が太陽に反射して顔が見えないんだけどね!


「君、迷子かい?」
「迷子じゃないでーす。ここがどこかわかんないだけでーす」
「ふふ。それを迷子って言うんだけどね」
「じゃあ、迷子です」
「そう。ねえ、助けてあげようか」
「ホントですかー」
「その代わり、ちょっと手伝ってもらうけどね」







***

「ダイゴさーん。ここ真っ暗なんですけど」
「ちょっと待ってね。今フラッシュ使うから」


パアッと辺りが明るくなる。ダイゴさんと私はただ今なんたら洞窟の入り口に立っている。なぜこんなところにいるかというと、さっき私を助けてくれたこのお方、ダイゴさんはぜひとも石マニアと呼んでくれと自ら言うほどの無類の石好きらしく、今回はこの洞窟に石を調達しに来たらしい。いろんな趣味の人がいるもんだよねー。
そのダイゴさんは私なんかほっといてどんどん進む。あのー私いらなくないですかー。


「ほらエニグマ、みてご覧!これが月の石だよ。ああ!あんな所に太陽の石が!すばらしい!すばらしいよ!ねえエニグマもそう思うだろう」
「そ、そうっスね!」
「ああもう、この輝き!肌触り!最高だ!」


……誰ですかこの人ー!さっきの好青年なダイゴさんはどこ行っちゃったんですかー!しかも女の子にこんな重い石っころ持たせるなんて!紳士的だと思ってたのに。エセ紳士かべらぼうめ!そんな私の心の叫びなど無視して、ダイゴさんはどんどん石を積み上げていく。も、無理!限界!


「ダイゴさん!もう持てません!」
「ん、ああ。そうだね。今日はこれくらいにしておこうか」


よかった。まだまだ行くよとか言われたらどうしようかと思った。さあ、帰ろうか、ってあれ、ダイゴさん。これ私が持って帰るんですか。マジでか。


「そういえば、エニグマはどこから来たんだい?」



(そんな今更なこと今聞かないでくださいよ!)

090927
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フワライドは波乗り覚えません、よ!

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テーマ「人外ファンタジー」
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