円堂守というニンゲンはとても不思議だ。試合をしてみてグランが円堂にこだわるのもなんとなくわかる気がした。円堂の力強いサッカーもどこまでもまっすぐな瞳もなにもかも包み込んでくれそうな心もあの太陽みたいな笑顔も私には全部が全部まぶしいくらいキラキラして見える。そんなキラキラにグランもみんなも憧れるのかもしれない。


「ウルビダはすごいな」
「え」
「すっげーサッカー上手いし」
「そんなこと、」
「ウルビダはすごいよ」


言い切った円堂の言葉に泣きそうになった。だって、私は何もすごくなんかない。円堂みたいにキラキラなんかしてない。気付いたら泣いていた。違う、違うんだ。確かに、私はすごくもないしキラキラもしてない。けど泣きたいわけじゃないんだ。違うんだよ、円堂。「ウルビダ」円堂が私を呼んだ。呼んだときに頭に置かれた円堂の右手はやっぱり太陽みたいにぽかぽかしていた。


「玲名」
「ん?」
「私の、本当の名前だ」


言ってからばかみたいだと思った。ああ、ばかみたい。どんなことをしたって円堂には適わないのに。届か、ないのに。自己嫌悪。


「玲名」


だけど円堂の一言でその嫌悪感も消えるなんて本当不思議なはなしだ。



きらきらひかる/100831

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テーマ「人外ファンタジー」
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