フローリングの床にべったり寝そべって幾つもの蝉の声を聞いた。窓から見える空は見たことの無いくらいの青空で、そこにはひとかたまりの雲が浮かんでいた。夏かあ。夏、だ。夏がくる。「暑すぎるとね、溶けちゃうのよ。どろっどろに溶けちゃうの。ほら、あの子いたじゃない、あなたの隣の席のあの子。あの子もこの暑さで溶けちゃったって噂よ。こわいわね」そう言ったあの人は、あれから姿をみせない。彼女も溶けてしまったのだとまた誰かがいった。チリン。風鈴がなる。目を閉じれば風が吹き抜けた。どくどくどく。沸騰していく体温が涼やかな風を取り込んで、とても心地いい。ああ、夏だ。夏なんだ。そうして、わたしは、溶け、た、


アイ スクリーム、ユー スクリーム/100623

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