「どんな……?」

「えっと、悲しかったとか嬉しかったとか」


そういうとお姉ちゃんは考え込んでしまった。お姉ちゃんは人識くんより(ほんの少し)大きいけれど、私よりは小さい。小動物みたいでかわいいと思う。本人にそういったら、きっとショックを受けるんだろうな。意外と気にしてるから。


「私は呆気なかったです。気づいたときには目の前に死体があって、嗚呼、やっちゃったんだなあって」

「わたしは、」

「……」

「覚えてない、なあ」


呟くみたいに、本当に小さく。限りなく小さな声。でも、だけど、じゃあ、





滅した記憶
(その目の憂いはなんですか)
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -