「さっとるー!」

ぼくのたいようはとてもうるさい。



さとるくんとえいじゅんくんと



「さとるさとる!」
ぴこぴこといろんなところにハネている真っ黒な髪が視界の隅に映ってさとるはうん?と首を傾げた。
少し固いスポンジ素材でできたカラフルなマットの上にぺたんっと座ってなにをするでもなくぼぅとしていたところだったから、いきなりかけられた声にのろのろとしか反応が返せなかったらしい。
頭上から不服そうな唸り声が落ちてきて、とろんとした目をむりやりこじ開けながら見上げると大きなビー玉みたいな目とぱっちりと視線が合う。
「ん?じゃねぇよ!あそぼーぜ!」
にまっと笑った笑顔が眩しい。
「えーじゅん…。」
「なんだよさとるー、ねむいのか?」
「うん…。」
こくりこくりと船を漕ぐさとるの頭をぽむっと少々乱暴に撫でながらえいじゅんは自らもさとるの隣にちんまりと腰を下ろした。
「えーじゅん…あそばなくていいの?」
「おれもねむくなったの!」
水色のスモッグの端をぐりぐりと引っ張りながらえいじゅんはわざとらしく欠伸をしてみせる。
けれどさとるはそれがウソだともわかっていたし、あえて深くつっこむ気も無かった。
ただ隣に大好きなえいじゅんがいて、いつも通りに笑ってくれさえいたらそれだけでさとるはしあわせだと思えたから。
「へんなの…。」
「へんじゃねぇし!」
「そうかな?」
「そうなの!」
小さな言葉の攻防戦を繰り返した後に二人同時にえへへっと笑えばそれが合図だったみたいにぴっとりと肩と肩をくっ付け合う。
そうしてカラフルなスポンジマットの上でなにをするでもなくぼーっと窓から見える果てない空を見上げることが、二人とも大好きなんだとは言わなかったけれど。
それでも仲間が二人を呼びに来る頃にはすっかりお互いにしがみついて丸まって寝てしまっているのだから、きっと二人とも気持ちは一生なのだ。
「さとるー…。」
「えー…じゅ……。」



さとるくんとえいじゅんくんと



「なぁ…倉持、この場合さとるは速攻引き剥がして俺がえいじゅんに添い寝していいよな?」
「お前保父向いてねぇよロリコン。」



えいに!
最後のはなんやかんやのなんやかんやです。
ぐったぐだだけど、よければ…;

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -