とある日の部室。
「名前ちゃん名前ちゃん」
「何?」
「少し質問があるんだけどいいかな」
「?いーよ」
「どんな男がタイプ?」
「ぶほぅっ」
あ、ちなみに今のは飲んでいたお茶を吹き出した音です、ごめんね高尾。
お見苦しい姿を見せてしまって。
「え、っと・・」
「うんうん!」
「実際、好きになった人がタイプなんじゃないかな」
「かーっこいい!おっとこまえー!イケメーン!」
「・・・・・・」
何でそんなに楽しそうなの高尾くん。
「じゃあさ、じゃあさ。かっこいい男子と可愛い男子どっちが好き?」
「うん・・・と」
「あ、具体的に言った方がいいか。誠凛の火神と黒子ならどっち?」
「なんか黒子くんに悪いけど、火神くんかな」
「なるほど!いつもは男前な名前ちゃんでも自分より、より男前な彼氏の前でだけは乙女になるってわけか!」
別に彼氏にするならどっち、なんて質問じゃなかったでしょうが。
「ただ火神くんが私より大きいからなだけなんだが・・・」
「あ、身長高い人が好きなの?」
「まぁ、私がわりと背が高いから自分より大きい方がいいかな」
っと言ったところで、高尾が手元にあるメモに書き込む。
『身長:◎』
って何だそりゃあ。
「じゃあ次な。王子様系と俺様系、どっちがタイプ?」
「お、うじ・・?おれさ、ま?」
「あー、こっちも実名出すか。キセキの世代の黄瀬か青峰か」
「き、黄瀬くんかな?」
「青峰みたいなガンガン引っ張ってく系よりも、名前ちゃんを気にかけてくれながらリードしてくれる系がいいんだな」
・・・まぁ確かに、俺様より王子様だね。理解理解。
そしてまた高尾はメモに『性格:×』と書き込んだ。
誰が性格悪いんだろう・・・。
「じゃあ、ずばり最後!高校バスケで一番タイプだった人は誰!?」
嬉しそうだし楽しそうだし興奮してるし、高尾はいいなぁ。
「うーん・・・」
「うんうん!」
ニコニコすんな。
「あ、」
「誰々?」
「陽泉高校の氷室さん」
「おおおおおおおお!」
高尾はその場で奇声をあげたあと、
「真ちゃーん!お前の好きな名前ちゃんは氷室さんがタイプだって!
お前とは正反対だぜ、諦めろっ!」
と爆弾発言を残して、嬉しそうに部室を出て行った。
(緑間は身長高い、でも性格は王子様系じゃない。だからあのメモか)