03.5 [ 1/1 ]
私に気づいて近寄って来ていた涼太がボールを落とし、ピシャーン!!と背景に雷を落とし大げさに驚いている。
無視する。
「本当に良かったのに。でも、昨日はたくさん泣いたね?」
「啼いた!?」
今度は大輝が涼太の隣に並び同じ反応をする。
無視する。
「赤司くん!やめてよ…恥ずかしいよ…」
「恥ずかしい!?」
「そうか、すまない。これは俺と都遥だけの特別なことだからね」
「?うん」
「特別なこと!?」
いちいちおうむ返しをする二人は完全に放置する。よく分からないけど赤司くんにとっては特別なのかな…?一応仲間が辞めちゃったわけだし…と考えていた思考をうるさい二人にぶったぎられる。
「ちょっと都遥っち!俺というものがありながらキャプテンといったい何したんスか!?」
「何って…秘密」
肩をゆすってくる涼太に顔を赤らめながら目線を反らした。…あんたのために泣いたなんか言えない。
「ああああああああ!!俺の都遥っちがあああああああああ!!」
と頭を抱えてうずくまった涼太を押し退けて、大輝が鬼の形相で目の前に来る。
そして
「都遥お前首筋見せろ」
「は!?大輝、何やって…!いやーーー!!」
襟を掴んで中を覗き始めた。
「コラッ暴れんな!見えねぇだろ!」
「見られてたまるかチクショー!」
「…ねぇな」
「それは胸か!胸のことか!このエロ峰ええええええええ!!」
「それもだけどよ…、?」
「も!?」
「(なんで跡がないんだ?赤司とか独占欲強そうだから絶対つけるだろうし…ただの勘違いだったのか…?そうか、そうだよな!)」
「あの…大輝さん、襟がよれよれになっちゃうのでそろそろ離していただけないでしょうか」
でもまぁ、大輝と涼太の機嫌も直ったみたいだし…よしとするか。
03.5:特別なこと
20120829 玄米