俺色に染まれよ [ 3/4 ]


急に立ち上がった大男を見上げるには横になったままだとめちゃくちゃ怖い。上体を起こして再度見上げると、その大男は言おうか言わまいか金魚が餌を食べるように口をパクパクさせていた。急な荒々しいやりとりも、大輝が悩んでいる意味も私には分からない。なんだ?私が愛を語りすぎてもしや引いた?それにしては大輝の言動が謎だな。オブラートなんて言葉が辞書にない大輝が何か言うのを躊躇うなんて…あ、もしかして歯に青のりついてた?お好み焼き食べたからな…。いやでも大輝なら「おいブス女お前鏡も見れねぇのか」ぐらいは言いそう。じゃあ、何だろう…?


「大輝、言いたいことあるならはっきり言っていいよ。驚かないから」
「…っだから、お前が好きだからこんなことやってんだよオレァ!それで家来いとか言われて来てみりゃアニメキャラの台詞を言わされて…その上好きなとこ語られて…そんなオレの気持ちが分かんのかっつってんだよ!!」
「…」
「ハァ…ハァ…」
「ええええええ!?」
「思いっきり驚いてんじゃねぇか!」
「これは驚くでしょ」


勢いでぶちまけて勝手に息を荒くして、こんなはずじゃなかったのにと頭を抱えて。「あ゛〜言っちまった〜」ってなんだよ。


「あの、青峰サン…?」
「俺は!!」
「は、はい!」
「名が二次元の奴しか好きにならねぇって聞いて諦めるつもりだったんだよ!それがこんな…勢いで…あ゙あ゙あぁ!どうせならさっさとフってくれ」
「あのさ」
「んだよ」
「好きってアレだよ?likeであってloveじゃないよ?二次元しかってのは三次元の男性アイドルとかは好きにならないってだけで、お付き合いしたいと思うのは現実の男性です」
「そんじゃ…オレ…望みあんのか」
「あるって言うか…私も好きだし、大輝のこと」
「お、おう…え?」
「お付き合いしたい対象として大輝が好きなんだってば」


バッと顔を押さえてうつむいた大輝をどうしたの、と覗き込んでみれば「こっち見んな」と片手で制止された。顔は隠せても丸出しの耳は真っ赤で、口では「馬鹿か」とか「うるせぇブス」とか言ってるけど恥ずかしがってるのがバレバレで照れ隠しは全く仕事をしていない。


「オレが好きだっつーならなんでオレに細かく好きなところとか言ったんだよ」
「大輝だって私にマイちゃんの話するじゃん!それと一緒だよ」
「ムカつく」
「なんで!?」
「オレ以外の奴に好きだって感情を持つとか許さねえ」
「突然オレ様モード入ったな…さっきまであんなに可愛いかったのに」
「うるせぇ!二次元の奴らなんか全員忘れるくらい…」










「俺色に染まれよ」


(何キャラですか…)
(キャラとか言うんじゃねえ!)
(えええ過剰反応すぎない!?)



→あとがき
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