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「夏に会って以来だね、元気だった?」
「はい!でもビックリしました。朝ごはん食べてた時にメール見て喉つまりかけましたよ」
「ごめんごめん。驚くかなと思って」
「そりゃあもう。辰也さんの想像以上のサプライズでしたよ」
「ははは」


久しぶりに故郷をゆっくり歩いてみたいという辰也さんとあてもなくふらふらと町を見て回る。


「あっごめんなさい」


狭い道で反対から来た人とすれ違い様に肩がぶつかってよろけてしまった。


「大丈夫?」
「はい、私丈夫なんで!」
「手貸して」
「?はい」


差し出した手に辰也さんの手がふわっと絡まった。


「えっえっ辰也さん!?」
「オレと手を繋ぐのは嫌?」
「嬉しいです!嬉しいですけど…ちょっと照れます」
「可愛いね」
「…辰也さん、面白がってるでしょ…」
「本心だよ?」
「もう!」


はは、と笑う辰也さんは繋いだ手をスッと下ろした。何気なく道路側に立ってくれたり、歩くスピードを私に合わせてくれてたり、そういう気遣いにふとした瞬間気付いてキュンとする。


「…辰也さんはほんと優しいですね」
「え?」
「今私の周りにいる男子ってデリカシーないのとか過剰にベタベタしてくるのとか手の平で人を転がすのとか…なんか変な人しかいなくて」


可笑しいでしょ、と笑った私の目に映った辰也さんにいつもの優しい微笑みはなくて。


「…都遥は、男の友達も多いの?」
「あ、いえ…夏にストバス会場でバスケやってたあの6人だけですよ。本当はクラスメートととも仲良くしたいんですけど…何故か私のこと避けてて…当たり障りのない会話しかしてくれないんですよ」
「…へぇ」


力が少しだけ強くなった手に疑問を感じながらも、私は話を続けた。


「赤司くんに相談したら『オレが納得いく仲良くしたい理由が言えるなら前向きに検討しよう』とか意味不明な返答されて…仲良くするのに理由がいるの?って聞いたら『ないなら無理だ』なんて言うんですよ。なんで友達増やすのにお前の許可がいるんじゃー!!…とは…ちょっと、言えなかったけど…」


最後は消え入りそうな音量で拗ねてつぶやいた。










15:作ろうか


 


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