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「昨日はごめん」
「あの、私も昨日なんだか怒らせてしまったみたいで…すいません」
「いや、なんで桐原が謝るんだよ!オレ桐原に酷いことを…本当にどうかしてた!ごめん!」


9月1日、始業式を終えた私は赤司くんに言われた通りに体育教官室で、机を挟んで向かいに座る村田先輩と話をしていた。正直、この人と二人きりになるのはまだ怖くて足が震えるけど、謝ってくれたし…きっとそんなに悪い人ではない…んだと思う。この人がもしキセキの世代にレギュラーを奪われて転がるような転落人生を…って言っても中学の部活動の話だけど、そんな風に過ごすことになってしまったのなら。あんなことさつきとかにしてたらキレてたと思うけど、まぁ私だし、一時の気の迷い、で済ませていいと、あげたいと思うんだ。

気持ちは、少し分かるから。


「…実は私、皆には言ってないんですけど」










10:昔の話を


 


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