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「お前正気か!?オレを殺す気かよ!」
「私だって大輝にこんなことしたくないよ!でも、こうするしか生き残る道はないの!お願い…分かって」
「…やれよ」
「え…」
「それでお前が救われるんならオレはそれでいい…」
「大輝…」
「…やれ」
「っ…ぅぁぁあああああ!!」
「ぐぁあああっ…!!」
「遊んでいる暇があるならさっさと手を動かせ」
「「はい」」
しんと静かになった教室に、カリカリとペンを走らせる音だけが響いた。
「だーから奥の細道でしょ!?なんなのこれ、奥の大通りって最早それ奥でもなんでもないから!ただの公道だから!」
「いっでええええっ都遥テメェ覚えてろ!」
大きなハリセンを大輝の背中目掛けてフルスイングする。
「私だって好きでやってんじゃないわよ!元はと言えばあんたがこんな状況になるまでほったらかしてたのが悪いんでしょ!」
06:権利があるよね?