「春休みの練習…盲点だった…!」
「まさか…」
「私も練習行く!」
「おいおい嘘だろ…」










突撃










「おはようございます、大坪さん…」
「おはよう。高尾、今日はえらくテンションが低いな…ん?どうしたんだその子は」
「実は、あの…コイツ同中出身の奴なんですけど、ちょっと変わってて…」
「大坪さん初めまして!秀徳に入学予定の中津美和と申します、率直に述べます。練習の見学をさせてください!」
「あ、あぁ。見学は自由となっているが…マネージャー希望か?」
「いえ、マネージャーだと緑間くんや皆さんをひたすら愛でるわけにはいかなくなるので」
「え…え?」
「だから私は只の一般生徒として見学させてください!毎日」
「毎日!?」
「ね、変わってるでしょ…」


これが私と秀徳バスケ部とのファーストコンタクト。和成は私が緑間くんのためだけに練習を見学したがってると思ってたみたいだけど、それは違う。だって緑間くんの選んだ学校だよ?宇宙一の最高の学校に決まってる!だから私は決めたのだ、秀徳高校男子バスケ部に私の青春全て捧げると!!


「それから撮影と成長日記の許可ください!」
「え…え?」
「どちらもレギュラーを中心にと考えています。もちろん、練習の邪魔になるようなことは致しません」
「ど、どういうことだ…」
「あー…とりあえず悪い奴じゃないんで許可しといてやって大丈夫だとは思うっすけど…」
「高尾がそう言うなら…」
「ほんとですか!?ありがとうございます!それでは本日から“秀徳LOVEシュートクラブ”本格的な活動を始めます!」
「え…え?」
「スルーしといていっすよ」
「…そうか」


買ったばかりの一眼レフ。この子が今から思い出をたくさん吸い込んでいく。そう思うとワクワクして武者震いをしてしまった。大坪さんが体育館に響き渡る声で号令を飛ばし練習が始まった。私は体育館の端からレンズ越しに見守る。最初の一枚は監督も含めた集合写真!我ながらいいものが撮れたと思う。


「緑間ぁ!てめぇ今ディフェンス練習中だろがシュートすんじゃねえよ!」
「ふむふむ、緑間くんはなかなかのフリーダムさん…と」


専用ノートを広げペンを走らせる。ノート、ペン、一眼レフカメラは私の必需品。いつどこで誰と会ってもいいように常に持ち歩くつもりだ。

緑間くんは今日も絶好調なようで全体練習でも個人練習でも一本もシュートを外さなかった。“精密機械”この言葉がこんなに似合うのは緑間くんだけだと思う。


「あ、緑間くん!中津です、帝光にちょこちょこ様子見に行かせてもらってたんだけど覚えてるかな?」
「忘れさせてくれ」
「良かった、覚えててくれて嬉しい!もしかしてそれ…」
「これか?これは使い終わったテーピングだが」
「もらっていい?」
「は?」
「瓶に詰めて保存させてください…!」
「大坪さん、お先に失礼します」
「あっ、待ってよ緑間くん!!」

20121203
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