二人がいい [ 1/2 ]


「…まだ起きてる?」
「あぁ、どうした」
「手…握ってもいい?」
「構わないが…いつもは同じベッドで寝るだけで恥ずかしがるのに、今日はやけに積極的だね」


鼻で笑われたが、気にせず仰向けに寝ている赤司くんの片手を握る。


「…積極的って…別に手握っただけじゃん」
「そうかな、本当はその先を期待してたんじゃないのか?」


赤司くんは私へ体を向け空いてる手を太ももへと滑らせた。


「ひゃっ、ちょっと!」
「そんなに身構えないでくれ。正直、今日は2試合こなして疲れてるからしないさ。期待させてすまない」
「してないっ!」


更にクスクスと笑いながら、繋いだ手を引っ張られ、もう片方の腕で抱きしめられた。優しさがこそばゆくてふふっと息がもれた。


「何がおかしいんだ」
「なんか、新婚さんみたいだなって」
「…体験するか?」
「何を?」
「新婚生活」
「…」
「…」

長い沈黙。


「名?」


思考が停止していた私の脳がやっと内容を理解して、みるみる顔が赤くなる。


「な、な、何言ってんの!私たちまだ学生だよ!?」
「なら、そうせざるを得ないようにするまでだよ」
「どういう意味?って…えぇ!?」


気がつくと、赤司くんが馬乗りになっていた。


「子供…つくろうか」
「え、いや、あの、さっき今日はしないって…」
「言ってない」
「ええええええ」
「いいだろ、どうせ結婚するんだから。早いか遅いかだけの問題だ」
「ちょっ、嘘だよね?子供とか冗談ですよね?ですよね!?」


首元に顔を埋めて来た赤司くんの肩を押し戻す。


「何、逆らうつもり?」
「っ…」


先ほどまでの優しい雰囲気とは一変、鋭い視線に怯む。


「言い訳があるなら一応聞くよ」
「あ…あの…」
「…」
「…まだ…いい…」「濁さず言え」
「子供がいると、気軽にこういうこと出来ないでしょ?だから…もうしばらくは」










「二人がいい」


(…わがままを許すのは今回だけだ)
(えぇっこれわがまま!?)
(出来る限り子供が出来ないよう配慮はしよう)
(結局するの!?)

20120727 →あとがき
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