足14とみかん6 [ 1/2 ]


「あ゛ーさっみぃなぁ…」
「青峰くんおはよー」
「おう。おい黄瀬、お前出ろ」
「えぇっなんで!」
「オレが入れねぇだろ」
「皆いるのになんでオレなんスか!?」
「名の隣だから」
「理不尽!酷いッスね〜名っち?」
「まぁ…そうだね」
「ってことで他の人に頼んでくださ〜い」
「ちっ…じゃあテ」
「嫌です」
「はえーよ」
「うるさいぞ。勉強に集中出来ないのだよ」
「勉強すんなら自分の部屋行けよ」
「ここにしかないのだから仕方がないだろう」
「じゃあ紫ば…いや、やっぱいーわ」
「え〜絶対変わんないけどなんで〜?」
「だってお前んとこ食べかすやべぇよ…」
「そこだけ紫原くんいつも固定だもんね」
「オレもそこだけは嫌ッスわ」
「おい赤司」
「なんだ」
「お前寒さとか感じねぇだろ、変われよ」
「僕をなんだと思っている。それより、この僕に出ていけと言うのか?この家に一台しかない、この、こたつから…?」
「じゃあオレはどうすりゃいんだよ」
「昼近くまで惰眠を貪っているようなぐうたらを暖めるこたつなどない、一人寂しくベッドで丸くなっていろ」
「おいやめろオレをぼっちにしないでくれ」
「じゃあ私抜けようか?」
「ダメッス!」
「名さんが抜けたらむさ苦しくてやってられません」
「黒ちんに同意〜」
「そうですか。隣に食べかすを飛ばすのをやめるのにも同意して欲しいです」
「あ、これおいし〜」
「殴っていいですか」
「落ち着くんだテツヤ」
「つか珍しいな、赤司が名と並ばず角隣の誕生日席に座るとか」
「こっちの方が名の顔をよく見れるからね。それに、今このこたつの中はどうなっていると思う?」
「んー、名っちと赤司っちの足がクロスしてる…?」
「複雑に絡み合っている」
「なんだと!」
「赤司くん…真顔でそういう事言わないでよ…」
「だって本当のことだろ」
「嘘ではないけどさ」
「だからオレに隣譲ったんスね!?“たまには涼太も名の隣に座りたいだろ?”なんて言っといて自分のためじゃないスか!もう嫌このキャプテン!」
「でも黄瀬くん喜んでたじゃないですか」
「そっスけど…」
「いい加減オレを入れてくれ」
「はぁ、仕方ない…最終手段だ」
「最終手段?」





















「で、それがこれか?」
「この長方形こたつの最も適切な使用法だ。まず身長順に敦、真太郎は幅が狭い方に一人ずつ。次に大輝と涼太が並んで座る、その向かいに僕、テツヤ、名の三人。完璧だろ?」
「分かるよ。分かるけどさ、私達普通に並べばよくない?」
「さすがに三人はキツイと思うよ」
「だからってなんで赤司が名を抱えてんだよ!お前ほとんどこたつ入ってねぇじゃねえか!もう出ろよ!」
「僕はこたつからはみ出ている代わりに名で暖まる」
「ズルい!オレも名っちで暖まりたいッス!てかここ食べかすまみれなんスけど!なんかざりざりする…」
「…もうなんでもいいや。黒子くん、みかん食べる?」
「いただきます」
「紫原からのあだ名ちんオレも食べる〜皮剥いて〜」
「紫原、自分で剥くのだよ」










足14とみかん


(おいちょっと待て)
(6コしかないッスよ)
(………)
(戦争、だな)

20121201 →あとがき
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