だんたんと肌寒くなってきた頃のこと、季節は秋の終わりを迎えようとしていたところだ。

万事屋に遊びに来た私の目に飛び込んできたのは居間の大半をどうどうと占拠しているこたつと、そこで居眠りをしている銀ちゃんだった。

「おー!こたつー!」

「ん…、あぁ、刹那か…」

「おはよー銀ちゃん!もうこたつ出したの?早いね」

「いーいの。もう外は寒いし、こたつは俺にとって心のオアシスだからな。こいつが居れば冬場は他に何もいらねえくらいだし」

「……ふうん」

「あー幸せ」

「……………」

「刹那ー?何黙ってんの」

「…べっつにー」

「刹那ー」

「んー?」

「みかんむいて?」

「………。ん」

わこわこわこわこわこ

「ん」

「ありがと」

「ん」

「…………」

「…………」

「…あのさ」

「ん?」

「さっきから刹那ちゃん「ん」しか喋ってなくね?なに、どしたの」

「べっつにー」

「………」

「………」

「いや…、え?不機嫌じゃん。
俺なんかしたっけ?」

「…………」

「………?」

「……、銀ちゃんはさー…」

「…ん?俺?」

「銀ちゃんは冬はこたつがあれば他は要らないんだよね?」

「………へ?」

「ってことはその他っていう部分に私も入ってるわけだよね?」

「……刹那ちゃん?」

「だからって別に何ってわけじゃないんだけどさあー…」

「……………」

「な、何ってわけじゃないんだよ、ほんとだよ!」

「…ってことは何、お前まさかこたつに嫉妬してたの?え、うそ」

「……私、ガキかな?」

「………か」

「か?」




「可愛すぎるだろーがァァア」


寒い日の需品


「いやもうこたつなんて要らねーし!そのかわり刹那ちゃんの体で銀さんの体温めて下さい!」

「やっぱり冬はこたつだよね」

「刹那ちゃん?!」


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