眩しい光



青峰くんと出会ってから毎日が見違えるように明るくなった。とにかくバスケ部のみんなは優しくて、これは本当に現実なのか錯覚してしまう

((今日は何作ろうかな…))

先生の許可をもらっていつも家庭科室を使わせてもらっている。料理本を片手に廊下を歩いていると急に体が重くなった。たぶんむーくんだろうなぁ、隣のクラスだし、あたしのお菓子いつも美味しそうに食べてるから、またお腹が空いてやってきたのかな?なんて思っていると耳元で信じられない声が聞こえた


「あ、今日の差し入れ?これがいい」

「え…」


振り向くと色の黒い顔、青峰くんだった。びっくりして動きが停止した


「何びっくりしてんだよ」

「だ、だって…」

「紫原だと思ったんだろ?」

「う」

「…まぁ、いいけど。で、これ作ってくれんの?」


指を指されたのはクッキー。なんだか出会った日のことを思い出す品物だった


「クッキー食べるの?口パサパサになっちゃうよ?」

「いいだろ。別に。食いてえんだよ」

「…わかった。おいしいの作るね」


そう言って笑いかけると青峰くんもおう、と言って笑った。その笑顔に胸が高鳴る。あぁ、眩しいな。青峰くんは光ってる。眩しくて、遠くて、届かない所にいる。いつか近づきたいな、なんて思ってる私はこれ以上を望むわがままな人間ですか?





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