バスケの練習終わりの放課後､向かう先は３軍がつかう体育館｡さつきちゃんに来るように言われて体育館の倉庫で待っているとやってきたのは青峰くんだった


｢あ､あああおみねくん｣

｢…小雪｣


“黄瀬は？”と聞かれて“来てないよ”と答えた｡逆に“さつきちゃん知らない？”と聞けば“見てねぇ”と言われた｡これはいったい…なんて思っているとどん！っと音がして辺りが真っ暗になった


｢ひゃっ､何!?｣

｢まさか…っ！｣

｢え､どうしたの？｣

｢…閉じ込められた｣

｢え!?｣


いったい何が起こったのか瞬時に理解出来なくて困っていると､青峰くんが壁を叩いて“やられた…”と呟いた


｢黄瀬とさつきが手を組んで俺らを閉じ込めたんだよ｣

｢えー!?｣


そ､それってしばらくの間青峰くんと２人っきりってことでしょ？最近話してないから気まずいってゆーか青峰くんかっこよくて２人っきりとか耐えられませんと言うか…


｢おい､大丈夫か？｣


窓から入る月に照らされた青峰くんが目の前にいて､びっくりしてちょっと後ずさりしてしまった｡それに気づいた青峰くんはすぐにあたしから離れて暗い所へいく｡それを見てあたしは慌てて腕を引っ張った


｢あぁ？｣

｢え､あ…暗いとこ行かないでください…｣

｢…わかった｣


すぐそばにあるマットの上に座る青峰くんはあたしの手を引いてあたしを座らせた｡それから一瞬あたしの顔を見て､口を開く


｢この前はその､悪かったな｣

｢ううん､あたしこそなんかしちゃったみたいでごめんね｣

｢お前が謝ることじゃねぇんだよ｡俺がただ…無性にイライラして…｣

｢あたし見るとイライラするの…？｣

｢ちげーよ！そうじゃなくってその､なんつーか…｣

｢あのね､青峰くん｡あたし青峰くんと話せなくて寂しかったな｡嫌われたんじゃないかって｣

｢そんなわけねぇだろ｣

｢でも違ったんだね｡また話せて嬉しいな｣


ありがとう､と笑えば青峰くんはバカ野郎と額を小突いた｡それからはっとして視線が離せなくなって青峰くんをじっと見つめた｡少し恥ずかしい


｢小雪…あのよ｣


青峰くんが何か言いかけた瞬間､ガラッと扉が開いてみんなが立っていた


｢あー大ちゃん何してんの!?｣

｢青峰っちだめっスよー｣

｢仲直りできたみたいだな｣

｢ふん､世話が焼けるのだよ｣

｢あれー峰ちん顔真っ赤ー｣

｢…逃げた方がいいかもしれませんね｣

｢え？｣


入ってきた黒子くんに手を引かれたと思ったら､“お前らぁ！”って青峰くんが怒ってみんなを追いかけ回し始めた｡なんだかよくわからないけど､いつもに戻ったみたいで安心して笑みがこぼれた

ねぇ､青峰くん…ただ変わったのは君への想いだよ｡いつか伝わればいいな