俺だけ見てくれ



いつものように赤司の鶴の一声で合宿をすることになった。合宿はボールにはたくさんさわれるし、小雪がうまい飯を作ってくれるし、何より小雪と過ごせる合宿なんてと1人うきうきしながら練習をこなしていると体育館の入り口にひょっこり現れた愛しい姿。少しきょろきょろした後俺を見つけるとじっと見ていた

((自意識過剰とかじゃねえけど))

こりゃシュートの1本くらい決めてやるかと思ってシュートを打つと小雪はうれしそうな顔をした。だからこっそりガッツポーズをしてしまったんだ。休憩になって小雪に会おうと思ったら紫原がすでに小雪の隣にいた、それをみて若干いらつきながらも小雪に話しかける


「何やってんだ、小雪」


遠くからじゃ分からなかったが、小雪のエプロン姿はいつも見慣れてるはずなのになんだか色っぽい。どきっとした

((裸エプロンとかしたらやばくねぇか?))

なんて言葉を胸にしまいながら小雪の話を聞くと、やっぱり紫原関係のことで、それでまたイラっとした


「むーくんに今日のデザートどうしようか相談してたとこなの」

「はぁ、デザートなんか食ったら太るぞ」

「いやいや、むーくんだけ、特別なの」

「…そうかよ」


紫原だけ特別とかなんなんだよと思って思わずそっぽを向いて呟いた。すると聞いていたのか青峰くんのも作る?って聞いたらいらねぇって感情に任せて言っちまった。小雪の悲しそうな顔が目に映って焦った


「んーデザート…白ちんが食べたい」

「「え?」」


思わず小雪と声が被った

((こいつ何言ってんだ))

そう思った次の瞬間、小雪はぎゅっとだし寄せられて紫原の胸の中へ、そして紫原は段々と小雪に顔を近づける。これはまずいんじゃねぇのか?


「白ちんいつも甘い匂いしてて美味しそうー」

「あたし人間だからっ!?」

「ちゅーしていーい?」

「ええー!?」


小雪と紫原のやりとりが彼氏彼女みたいでとにかく腹ただしくて思わず“やめろ!”と大声で叫んだ


「離せよ紫原」

「えー」

「小雪を離せ」

「あ、青峰くんありが…」

「俺に話しかけんな」


くだらない嫉妬に身を任せて小雪の手を振り払った。小雪の悲しそうな目を見たくなくてそのまま背を向けて歩き出した

((やべーどうしよう))

これはやっちまったな





prev next





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -