02



とりあえず半ば強引に、つーか葉隠のせいで一華ちゃんとの子守がスタートしたはいいものの、一華ちゃんが“葉隠くんすっぽんぽんじゃ可哀想!”の一言で買い物に行くことになった。本当はモノクマに子供服を用意してくれって頼んだんだけど、さすがに無かったらしい。とにかく、ついでに食品を買ってくることを前提に、外出が許可された。みんな羨ましがってたなー…つーかこれある意味デートじゃね?なんて浮かれながら歩いていれば葉隠が一華ちゃんの胸に埋もれているのを見て腹が立ってきた


「一華ちゃん、葉隠重くね?俺が抱こうか?」

「大丈夫!ありがとう怜恩くん」

「だべ!」


だべじゃねぇよこの腐れ占い師!一華ちゃんの胸に埋もれたいのは俺もだっつーの!なんて思いながら無理矢理一華ちゃんから葉隠を取り上げようとしたら“まぁま!”なんて泣き出すからたまったもんじゃなかった


「よしよし、びっくりしちゃったねー?」

「ママって…」

「かわいいね」

「そうじゃなくて…」


ママとか、あやす一華ちゃんとかマジお母さんつーか奥さんで恥ずかしいのなんのって何ともいえない感情になったからそっぽ向いたら、“どうしたの?”なんて聞いてくる。くぁあああかわいー!


「ぱぁぱ」

「だから俺はパパじゃねーって…どうしたの一華ちゃん」


顔を真っ赤にしている一華ちゃんから葉隠を取って訪ねれば、俯いた。照れるなんてこと滅多にないから珍しい…


「な、なんかね、怜恩くんと夫婦みたいだったから…」


それを聞いてこっちまで顔が熱くなるのが分かった。一華ちゃんもそう思ってたのか…そう考えたら無性にキスしたくなって、一華ちゃんに近づいた。ここは街中だけどそんなの関係ねー…!


「一華、ちゃん…」

「だ、だべー!」

「は!こ、ここ街中だから!」

「うおっと!」


キスまで後少しの所で、間に挟まっていた葉隠が声を上げた。それに気がついた一華ちゃんが俺を押して、結果ふらついた。あぶねー葉隠落とすとこだった。なんて思っていれば“ご、ごめんね”なんて一華ちゃんが近づいてくる


「キスしたかったのにー…邪魔すんなよ葉隠!」

「だべ!」

「けんかしないでっ!」


あたふたしている一華ちゃんがかわいくて、ため息をついて頭をなでた。街中はさすがにレベル高すぎたわ。あとでじっくりすればいーや、なんて思って葉隠の頬を摘んだ。むっちむちだ。これが子供の肌ってやつか


「普段髭面の癖に」

「それは怜恩くんもだね」

「俺のはオシャレなのー」

「えへへ、やすくんパパに似ちゃだめだよー?」

「やすくん?」

「やすひろくんでしょ?だからやすくん」

「なんか子供みてーつーか子供か」

「うん!あたし達の子…だ、よ!」

「…は!?」

「なんでもない!」


“行こう!”と俺の手を引いて、一華ちゃんは走り出した。俺達の子とか言ってくれるじゃん。なんつーか恥ずかしかったけどそれ以上に嬉しかった




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