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昔から怖がりだった私をずっと守ってくれてたのは幸ちゃんだった…どんなときでも隣にいてくれて、慰めてくれて、いつも“大丈夫だ”と笑ってくれた







「ぶふぉ、俺が怖い?心配しないで。今はまだ何も出来ないから」

「…君は何なの?」

「俺ー?俺はねぇ、君を連れてくるために派遣された者だよん!」


語尾にハートでも付いてるんじゃないかってくらい嬉しそうに笑う男の子を見て、ますます恐怖心があがる


「なんで、私?」

「君は俺らの世界では有名人なんだよ。橋本青葉さん」


そう言われた瞬間、体が急に動かなくなった

((何これ…あの子から目が離せない))


「あ、ついにうまくいったみたい。じゃあ俺もお仕事ー!」


男の子が嬉しそうに笑って手をかざすと、私の体は宙に浮いた

((ありえない!))

何が起こっているのかさっぱりわからない。私どうなるの?この人何者?幸ちゃん助けて!必死になって助けてを求めたら目の前に幸ちゃんがボロボロになって現れた


「橋本!」

「あ、しぶといねー。さすがは笠松さん?」

「お前、何する…」

「決まってんじゃん。こうするの」


男の子が笑ったと思ったら、突然大きく動かされ地面目掛けて落とされた。ぶつかると思った瞬間、紅と蒼の濁ったいろをした渦が現れ、俺はその中に吸い込まれた。落ちていく中、目に入ったのは静寂に包まれた満天の星空と、それをかき消す黒い2つの影、そして、幸ちゃんの呼び声だった






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