「高尾くん?」
廊下に転がって行ってしまったボールを探していると、耳に残る声がした。もしかしてもしかしちゃったりするともしかして!なんて思いながら振り向けば、素敵な香りと共に鈴木先輩が現れたから卒倒しそうになった
「鈴木、先輩…!」
「はい。なんでしょう?」
声をかければ笑顔で対応してくれる先輩はマジでエンジェル!いや、神!後光が見える気がした
「ど、どっどどどうしたんですか?」
「バスケの練習見に行こうと思ったらボール拾ったから届けに来たの」
「あ、ありがとうございます!」
はい、と渡されたボールを受け取ろうとしたけど、手が震えて上手く受け取れなくて、ボールが落ちた。ダムダムと音を立てながら転がるボールを鈴木先輩は追いかけて、しゃがんで取ろうとした。パ、パパパパンツ見え…っ!
「高尾、おせぇ…何やってんだ」
鈴木先輩のパンツが見えそうになった瞬間、目の前に宮地先輩が現れて、パンツは拝めなかった…
「くっそー!あとちょっと…」
「何がだ。つか美砂なんでいんの?」
「なんでとかひどいなー清志くん」
もー、なんて言ってる鈴木先輩かわいくてどうにかなりそうだけど、いつも思うけど宮地先輩と親しげだよなー。ぜってークラス一緒だからなだけじゃないと思う
「宮地先輩、鈴木先輩と仲良しっすねー…なんて」
「あ?美砂?それはな…」
「あたし達幼なじみなの」
なんて言う鈴木先輩に鈍器で殴られたような気分になった。幼なじみとか羨ましい過ぎて宮地先輩!幼なじみならお互い知らないことねーよな!?で、でも待てよ。幼なじみラブは伝説だって俺の恋愛バイブルに書いてあった!だ、だから…
「セーフ!」
「何がだ」
「な、何でもないっすよ!」
「くす、高尾くんて面白いね」
なんてくすくす笑う鈴木先輩。これは好印象!?よっしゃああああああ!
「鈴木先輩、あの!」
「いいから高尾、練習すんぞ」
「うわぁあ!宮地先輩!離して!」
「くす、がんばれっ!」
両手でガッツポーズしてくれた鈴木先輩、鼻血が出そうだった
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