クリスマスと言えば毎年、かわゆいかわゆい我が弟のためにプレゼントを用意してサンタさんの真似事をすることで終わる。だから自分になんかするとかそんなこと全然しなかった
「はい」
「ん?」
「はーいー!」
「何これ」
団蔵のクリスマスプレゼントを用意している時、突如部屋に入ってきた勘ちゃんに何かを突き出された。開けるように促されて、渋々かわいくラッピングされた箱を開けてみると、中から現れたのは真っ白い雪のようなケーキだった
「え?どうしたの?」
「もー鈍いなぁ!クリスマスプレゼント!君いつもがんばってるからね。特別っ!」
手作りだよ!なんて言ってる勘ちゃんの手を見れば火傷や切り傷で傷だらけだった
((勘ちゃんが人のためにお菓子作るなんて…!))
なんてちょっと観点がずれてるような感動をしながらケーキを眺めていると、“食べて食べて”と差し出された銀色のフォーク。一口掬って食べれば、溢れんばかりの美味しさが体中に駆け巡った
「やばい!うまっ!」
「本当に?よかったー!あ、クリームついてるよ?」
「まじで?どこどこ」
「…ここっ」
ちゅっと軽いリップ音がしたと思ったら次の瞬間、勘ちゃんのにやりとした顔いっぱいが目の前に映っていた。からん、と銀のフォークを落とした音が虚しく響くと思ったら、勘ちゃんが笑いながらフォークを拾ってケーキを掬っていた
「まだ食べる?」
にやにや笑っている勘ちゃん。はめられたと俺が気づくまであと数秒たらず…
end
メリークリスマス!
クリスマス限定拍手です。勘ちゃんはタラシで小悪魔のイメージです
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