「あっちだ!」
「おぉっと」
忍術学園に帰ろうとした時に何かにぶつかった。顔をあげると綺麗なお姉さん、じゃなくて私服姿の加藤先輩が僕の腕を掴んでいた
「はぁい、神崎くん。こんな町中でどうしたの」
「迷子です!」
「潔いな…」
「加藤先輩なんで女の子みたいな格好なんですか?」
「作法委員会が今日ファッションショー開いててさ、それのモデルをしてたわけ」
もう終わりだから一緒に帰るか、といいながら先輩は服で私の頬を拭いた。色んなところを走り回ったから、泥だらけだったらしい。先輩のその仕草はいつも見てるのに服装が違うだけで少し胸がどきどきする
「ほら、綺麗になった。帰ろうか」
「そうですね、あっちです!」
「うぉっ…そっちじゃなくてこっちだよ」
引き止められて勢い余って先輩の胸に埋もれたら、なんか女の子みたいな匂いがした。先輩がなんか別の人になったみたいで、思わず“加藤先輩ですか?”なんて聞いたら先輩は大爆笑した
「俺かもわかんないほどってことは作法委員会の技術がすごいんだな」
けらけらと笑う先輩は綺麗で思わず見惚れてしまう
((この笑顔、私だけのものにならないだろうか))
そんなことを考えて手をつないだときに、思わず口にでた“好きです”と言う言葉。先輩は一瞬固まった後、見たこともない優しさ笑顔で私の頭を撫でた
end
左門むずい…
prev next